広がる「猫ブーム」に潜む危うさとは?

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子猫の価格高騰に潜む「 (わな)

ペットショップで飼い主を待つ猫(写真はイメージです)
ペットショップで飼い主を待つ猫(写真はイメージです)

 ペットショップの店舗やインターネット通販サイトを見ると、子猫の価格の高さには驚きます。一部の猫種ではブームになる前の4~5年前と比べ2倍以上に跳ね上がっているケースも見受けられます。

 珍しい猫種や、キャットショーなどでチャンピオンになった猫が産んだ子猫ともなれば100万円近くになるケースもあるようです。

 しかしながら気を付けたいのは、高価だからといって、その猫の健康が保証されているわけではないということです。

 子猫の健康は、「飼育環境」「親猫の健康」「親猫の遺伝的疾患に対する対応」「血統を考えた繁殖」など様々な要素によって大きく変わるのです。

 清潔でストレスのない環境で育っているか。親猫は健康で、遺伝的疾患に対する検査をクリアしているか、近親交配ではないかなど、チェックすべき重要項目はたくさんあります。

 価格は高くても、悪質な繁殖業者やブリーダーが繁殖させ、劣悪な飼育環境で育ってきた子猫もいるかもしれません。両親が遺伝的疾患の遺伝子を持っていれば、それを引き継ぐ確率も当然高まります。

 子猫を購入する場合は、生まれてきた環境などをしっかりと確認できることを条件に購入すべきだと思います。そうすることで、健康な子猫を家族に迎えられる確率も高まります。知識や経験が豊富で、質問にもしっかりと答え、親猫や飼育環境も見せてくれる店舗やブリーダーを選びましょう。

発情期を「悪用」する業者

 猫ブームの背景には、交配可能な「発情期」が猫に多いこともあります。

 成熟したメス猫の発情には、日照時間が大きく関係しています。特に日照時間が延び始める1月から、9月ごろにかけ発情が増えて繁殖期となり、この時期に多くの子猫を産みます。

 しかし、年間を通して人為的に照明の光を長時間浴びさせると、何度も発情が起こってしまうことがあるのです。発情したメス猫は、オス猫と交配した刺激で排卵します。

 優良ブリーダーはメス猫の体を思いやり、年に1回程度の繁殖にとどめます。ところが、利益だけを追う繁殖業者やブリーダーは先述の猫の性質を「悪用」し、人工的に照明を長く浴びせて年に何度も繁殖させているのです。人気の猫種は「高値で売れるうちに」と繁殖の回数を増やされ、体にも負担がかかりボロボロになっています。 

 妊娠すると約2か月で子猫が生まれます。子猫は生後1か月で乳離れしますが、子育て中にも照明を浴びせられ、再び発情期を迎えるメス猫もいます。繰り返せば、最多で年に4回もの出産が可能といわれます。

 親猫にとってはケージに閉じ込められたまま、ただ、子猫を産むだけの日々……ブームがこのような事態に拍車をかけていると筆者は考えています。そして、子猫の健康も親猫の健康状態に大きく左右されます。親猫の健康を考えずに繁殖を続ければ、必ずどこかに「しわ寄せ」がくるはずです。利己的な繁殖はやめるべきだと思います。

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1933 0 深読み 2018/01/07 07:00:00 2019/02/06 15:06:05 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20171228-OYT8I50002-T.jpg?type=thumbnail

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