就任2年目 どこへ行く「波乱のトランプ米政権」

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成立した主要法案は1本だけ

 米経済は好調で、大統領は「自らの成果だ」と主張するが、実際は「企業努力の結果」という側面が大きいだろう。就任1年間の内政面での実績が多いとは言えない。

 米議会は現在、上下両院で大統領と同じ共和党が多数派だ。議会対策は円滑に進みそうなものだが、現実は異なる。大統領を忌み嫌う民主党のみならず、共和党指導部との関係がぎくしゃくしていることもあり、就任以来、成立した主要法案は1本のみだ。

 就任直後の大統領が傾注した法案は、選挙戦時の公約の目玉だった、医療保険制度「オバマケア」の一部撤廃だ。しかし、激論を経て、議会が夏休みのため休会する直前の昨年7月下旬に、身内のはずの共和党から造反者が出て、同法案は上院で否決された。

 その後、大統領が力を入れた、もう一つの公約の目玉だった税制改正法案は難産の末、12月20日にようやく議会を通過した。連邦法人税率を35%から21%に引き下げることを主眼とし、ホワイトハウスの試算では10年間で170兆円規模の減税がもたらされる大幅改正だ。大統領は早速、2日後に署名し、就任の年に主要法案がまったく成立しないという事態をかろうじて回避した。

 大統領は、次の目標をインフラ整備関連法案の成立に置く。道路や港湾、橋など米国内の老朽化したインフラへの投資を進め、さらなる雇用を生み出す。それによって国民の支持を広げ、今年実施される中間選挙に勝利し、弾みをつけて2020年の大統領選に臨む――という狙いが透けて見える。

 ただ、大型のインフラ整備には共和党内の一部にも慎重論がある。民主党は成立した税制改正を「金持ちを優遇するだけ」と批判を強めている。

 今後の政権運営で注目されているのが、トランプ氏の右腕だったスティーブ・バノン前首席戦略官との決裂だ。昨年8月にホワイトハウスを追われた後も、大統領や一部の共和党議員に隠然たる影響力を持ち続けたバノン氏だが、前述した暴露本で筆者のインタビューに応じ、大統領とその家族を批判したことで大統領から切り捨てられ、右派系ニュースサイトの会長職も追われた。

 バノン氏は、トランプ氏が打ち出した「米国第一」や「移民排斥」といった主張の原動力とされた。“バノン離れ”により、大統領が共和党主流派に近づいていくのか? 中間選挙の共和党候補者選びに影響はあるのか? 共和、民主両党とも測りあぐねている。

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