就任2年目 どこへ行く「波乱のトランプ米政権」

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暴露本発売後も、コアな支持基盤は健在

 今年11月6日に実施される中間選挙では下院の全435議席、上院は100議席中、改選33議席とミネソタ州の補選を合わせた計34議席が争われる。民主党は両院での過半数奪還を目標に掲げる。

 共和党の牙城、南部のアラバマ州で昨年12月に行われた上院補選では、共和党候補の醜聞もあって四半世紀ぶりに民主党が議席を取り戻した。民主党幹部は「有権者がトランプ政権の実相に目覚めた証しだ」と気勢を上げるが、上院の現有勢力は共和党系51、民主党系が49。今回の中間選挙で争われる34議席中、民主党系の現有議席は26もあり、民主党が過半数を奪還するには改選議席数の確保に加えて2議席を上積みする必要がある。ハードルはなお高い。下院では、ブッシュ(ジュニア)政権時代の選挙区改変が共和党候補に有利に働くとされる。

 次期大統領選をめぐっては年明け早々、トランプ氏が2020年の再選を視野に入れていることを浮き彫りにするやりとりもあった。米国で絶大な人気を誇る女性黒人司会者のオプラ・ウィンフリー氏(63)が民主党から次期大統領選に出馬するのではないかとの観測が出る中、記者団からコメントを求められたトランプ大統領が、「(仮に出馬することがあれば)私はオプラを倒す」と述べたのだ。

 ギャラップ社によると、就任から1年間のトランプ氏の平均支持率は39%。これは、クリントン氏の就任1年目の49%を下回り、歴代大統領最低の数字だという。一方で、暴露本の発売後も大統領の支持率にはほとんど変化がなく、40%はなかなか超えないが、35%は下回らない。つまりは、公職経験も軍歴もない異例の候補者を大統領に押し上げたコアの支持基盤は依然、トランプ氏から離れていないということだ。

 大統領の再選に向けては、「ロシア疑惑」など複数のアキレス腱(けん)の存在が指摘されている。16年の大統領選時にロシアがサイバー攻撃でクリントン陣営に不利になるような介入をした際、トランプ陣営と共謀があったのか? トランプ氏は大統領就任後、共謀疑惑に関する連邦捜査局(FBI)の捜査を妨害したのか? これらについては、モラー特別検察官が捜査を進めており、大統領本人への聴取も取り沙汰される。

 ただ、日本から見ていると、あり得ないように思える大統領再選について、米国内での見方はもっと慎重だ。

 「2020年は、まだまだ先。米経済の好調が続くのか。国際情勢はどうなっているのか。ロシア疑惑の捜査がどう展開しているのか。もう少し時間がたたないと、再選の可能性は否定できない――」。米有識者の多くは、こう話す。

 北朝鮮から中東までの米外交や世界経済を牽引(けんいん)している米経済が、就任2年目のトランプ大統領の指揮下で、どう展開していくのか。中間選挙の結果はどう出るのか。トランプ政権から世界が目を離せない状況が続くことだけは確実だ。

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プロフィル
大内 佐紀( おおうち・さき
 読売新聞調査研究本部主任研究員。1986年入社。主に国際報道に携わり、ワシントン、ジュネーブ、ロンドン各特派員。英字紙ジャパン・ニューズ編集長、編集局次長などを経て2017年6月から現職。

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