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AIは地球外生命体を発見できるか?

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地球外生命体を見に行く

写真はイメージです
写真はイメージです

 積極的に探す方法として、近い星ならば、行って確認しようという計画もあります。

 地球からの距離が約4光年の場所に恒星「プロキシマ・ケンタウリ」があり、その惑星「プロキシマb」は直径と質量が地球と同じくらいで、液体の水を持つ可能性があるとされています。

 最新の宇宙探査機でも約6万年かかる距離にありますが、進行中の探査計画では、今世紀中にも表面の様子を撮影できるかもしれないといいます。

 計画の名前は「ブレイクスルー・スターショット」で、物理学者のスティーブン・ホーキング氏やフェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ氏なども賛同しています。

 切手大の超小型探査機を1000個以上飛ばし、地上からレーザー光線を当てて光速の5分の1となる速さに加速させます。カメラが搭載(とうさい)されていて、20年ほどかけて接近して撮影します。画像データは電波に乗せ、4年かけて地球に送るという計画です。

 この計画の技術開発は20年以内に実現することが期待されています。単純計算で、今から40~50年後には地球に画像が届くことになります。

 このスピードで接近して写真が撮れるのか? 私は実際に計画に携わっている人に聞きましたが「可能です」との回答でした。確かに私たちの多くが持っているスマホのカメラは昔のカメラからすれば信じられないくらい小型で高性能です。世界的な計画で最新の技術を使えば可能であるということも納得できます。

AIが可能性をさらに高める

 最新の技術は研究において、最も時間がかかる解析作業を劇的に変えてくれる可能性もあります。それは今、話題になっている自分で学習する機能を持ったAI(人工知能)です。昨年12月にはNASAがケプラー宇宙望遠鏡の観測データをAIで分析し、系外惑星を発見したことを発表しています。

 観測の解析は、データの中から、観測装置や大気のゆらぎなどに起因するランダムな雑音(ノイズ)に埋もれているシグナルをいかにして取り出すかという作業です。これまでは、最終的な確認は人の目でやっていました。コンピューターに一定の条件を入れればできそうに思いますが、人の目のようにデータの一部が途切れていても、それを推論で補って一つのものとして見るようなことはできませんでした。人がこの欠損部分をどのようにつないでいるかを数式にできず、プログラムできなかったからです。

 これに対して、AIは欠損部分を補う方法を学習してくれるのです。人間の能力を超えなくても、人間並みになってくれれば、大量の研究者が集まって24時間ぶっ通しでやらないとできないことも不満も言わずに高速でやってくれるので、解析にかかっていた膨大な時間の短縮が期待できます。

 さらに人は先入観にとらわれたことによる見落としや誤解も起こしがちですが、AIは必要な条件をもとに学習し、新たなデータも取り込みます。将棋ソフトがこれまでの常識を破るような新手を繰り出してくるように、これまで人が考えなかったような形で、地球外生命体の証拠を提示してくれる可能性もあり、期待は膨らんでいます。

 地球外生命体の発見が、近い将来に実現する可能性はどんどん高まっているのです。

プロフィル
井田 茂( いだ・しげる
 1960年東京都生まれ。84年京都大学理学部卒。東京大学教養学部助手、米コロラド大学ボルダー校客員研究員などを経て、2006年から現職。著書に『地球外生命体 実はここまできている探査技術』(マイナビ新書)、『系外惑星と太陽系』(岩波新書)など多数。


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使い方
5464 0 深読み 2018/02/02 05:20:00 2019/01/22 16:02:22 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180131-OYT8I50053-T.jpg?type=thumbnail

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