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「さみしい男性」要注意、孤独は健康リスク

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アルコール中毒に匹敵、肥満の2倍のリスク

 今年1月、イギリスで「孤独担当大臣」というポストが新設され、日本でも話題となった。筆者はこの問題をテーマにした新著「世界一孤独な日本のオジサン」(角川新書)の取材のため、3か月前に渡英し、「孤独対策」の最前線をのぞいてきた。

 イギリスでは、主に民間のNGO団体などが中心となって、孤独な人を減らすための活動が幅広く展開されている。孤独な高齢者向けの365日、24時間対応のヘルプラインや中高年が集まるサークル活動、地域を挙げてのランチパーティーなど、新たな「縁」や「絆」を結び、仲間を作るための取り組みが次々と試行されている。

 なぜ、これだけ熱心に対策が行われているのか。それは、医学や社会学などの専門家たちの間で、孤独はまさに「万病のもと」と考えられているからだ。

 権威ある多くの研究が、孤独がうつ病や、心臓病や認知症などを含む精神的・肉体的な病気のリスクを高めると結論付けている。アメリカでは、孤独のリスクは〈1〉1日にタバコ15本を吸うことに匹敵する〈2〉アルコール中毒であることに匹敵する〈3〉運動をしないことよりも高い〈4〉肥満の2倍高い――という研究結果もある。

 それだけではない。「孤独は冠動脈性の心疾患リスクを29%上げ、心臓発作のリスクを32%上昇させる」「孤独度が高い人がアルツハイマーになるリスクは、低い人の2.1倍」「社会的なつながりを持つ人は、持たない人に比べて、早期死亡リスクが50%低下する」など、健康への負の影響を示す研究結果が欧米で次々と発表されている。

深刻な中高年男性の孤独

 海外では、このように「孤独の脅威」に注目が集まっているが、日本では、国も人々もメタボやがん対策などに力を入れても、この深刻なリスクファクターに関心を向けることはあまりない。

 実に皮肉なことだ。というのも、少子高齢化が最も進む日本は、世界に冠たる「孤独大国」だからだ。2035年には全世帯に占める「一人暮らし」の割合は推計で37.5%に達する見通しで、中でも中高年男性の孤独は深刻だ。

 OECD(経済協力開発機構)の2005年の調査によれば、「友人や同僚もしくはほかの人々と時間を過ごすことのない人」の割合は、日本の男性が16.7%、と21か国の男性の中で最も高かった。平均値の3倍に近く、スウェーデン人男性の約1%、アメリカ人男性の約4%などと比べてもずば抜けた水準だ。

 非婚化が進む日本では、男性の生涯未婚率は2020年には26.0%(女性は17.4%)、2030年には29.5%(女性は22.5%)まで上昇し、男性の約3人に1人は生涯独身という時代を迎えようとしている。老後の孤独も深刻だ。日本の高齢単独世帯の調査で、「親しい近所づきあいはしていない」と答えた人は、女性が39.1%だったのに対し、男性は半数を大きく上回る63.9%に上った。

 なぜ、日本の中高年男性はこれほどまでに孤独になりやすいのか。そこには、社会的・文化的環境、つまり「コミュニティ」などの外的な要因と、男性特有の「コミュニケーション」の問題などの内的要因の二つがある。それらが複雑に幾重にも絡み合い、「オジサン」たちをがんじがらめに縛り付けている現状がある。

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