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「さみしい男性」要注意、孤独は健康リスク

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セーフティーネットのない「無縁社会」

 「コミュニティー」という観点で見ると、世界中で都市化や核家族化が進み、地縁・血縁の希薄化による「無縁社会」化が進んでいる。日本においては、そうした従来の「縁」を補完するべき「ソーシャルキャピタル」(社会関係資本)が極端に乏しいことが、事態を悪化させている。

 ソーシャルキャピタルとは、家族以外のネットワークや、ボランティア、地域活動への参加などといった社会や地域における人々の信頼関係や結びつきを表す概念だ。隣近所や知人、親戚、職場の同僚などとの付き合いや、スポーツや趣味等への参加などの「付き合い・交流(ネットワーク)」と言い換えられるが、日本はこの値が際立って低いのだ。

 イギリスのレガタム研究所の2017年版ランキングによると、日本のソーシャルキャピタルランキングは世界149か国中、101位。先進国の中では最低で、カンボジア、ルワンダ、イラン、ニカラグア、ザンビア、ガーナなどを下回った。地縁や血縁に代わる新たなセーフティーネットとなるべきソーシャルキャピタルのない近代化によって、孤独に追い込まれる人が急増している。

会社とプライドが男を孤立させる

 日本の特殊な労働文化が、孤独化に拍車をかけている面もある。

 長時間労働の繰り返しで友人や趣味などを作る暇もなく、汗水たらして働き続け、気がつくと退職の日を迎える――という人も少なくない。かつては就業人口の半数に満たなかった「会社勤めのサラリーマン」が今の日本では9割を占め、多くの人が定年で自動的に会社システムから「強制退去」という憂き目にあう。

 特に、日本のサラリーマンは、転職することなく、一生、同じ会社で働き続けることが美徳のように考えられてきた。高齢になってから、40年近く住み慣れた「家」を急に追い出されるのに似た恐怖感や絶望感は、例えようのないものだろう。

 「『仕事が生きがい』というわけではない」。そう考える人にも、職場はやりがいやプライド、仲間、居場所を提供してくれていた。そのすべてを定年で失ったら、「自分は認められていない」「必要とされていない」…そんな思いにとらわれるだろう。残されるのは、自分が「透明人間」になってしまったような寂しさと、満たされぬ承認欲求だけかもしれない。

 特に男性は、「プライド」という厄介な代物に縛られがちだ。年功序列制度という「タテ社会」の中で、役職が上がるにつれ「男のプライド」という風船を少しずつ膨らませていく。職場という戦場で、武装して戦い続けるうちに、身にへばりついた(よろい)は外すことができなくなり、「名刺」や「肩書」なしのコミュニケーションが難しくなる。

 今の中高年の多くが、「男は男らしく」、つまり、「男は自立し、ストイックであるべき」という“マッチョ信仰”の影響を受けて育ったことも、男性が他人と胸襟を開いて関係性を築いていくことを難しくしている一因だろう。

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7871 0 深読み 2018/02/16 07:00:00 2018/02/16 07:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180214-OYT8I50029-1.jpg?type=thumbnail

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