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介護と仕事の両立、危機を乗り切る「心の持ち方」

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介護者の経験には価値がある

企業の人事担当者らに介護離職防止対策の方法を伝える和氣さん
企業の人事担当者らに介護離職防止対策の方法を伝える和氣さん

 私は介護離職を経験しています。介護離職をして今の活動を始めるまでの5年ぐらいの間は、どこか人生をあきらめていたと思います。生活は激変し、友達とは連絡を絶ち、引きこもりがちになり、もちろん収入も激減しました。

 会社を辞めたこと自体は後悔していませんが、介護離職して何かいいことがあったかといえば、何もありませんでした。楽になったのは、会社を辞めたその瞬間だけで、それで介護が終わるわけでもないし、コミュニティーも作り直さなくてはいけないし、転職はできたけれど収入は激減したしと、新しいストレスを抱えただけでした。ですから、「介護離職はしないに越したことはない」と、訴え続けています。

 問題は、どうすれば仕事と介護の両立ができるかです。現在、介護をしながら働く人は約291万人いると言われています(総務省統計局の『平成24年(2012年)就業構造基本調査』による)。つまり、291万の事例があるはずなのです。

 しかしながら、その人々がどこにいるのかがわからないのです。「日々の介護でそれどころではない」「会社で話せる雰囲気ではない」など様々な理由で、貴重な情報源である「介護経験者」の声は埋没しているのが現状です。

 私が唯一知っている「介護経験者はここにいる」ことがわかる公の資料は、厚生労働省のホームページにある「仕事と介護の両立支援」です。

 厚労省は「仕事と介護 両立のポイント・事例(労働者向け)」として、13年から毎年、事例集を作っています。ただ、残念ながら、貴重な資料もなかなか必要な人に届いていません。資料の作成には、私のたくさんの介護者仲間も協力していますし、私の事例もちゃんと入っています。国は介護者の経験を価値あるものと認めているのです。

 しかしながら、それに気づいていない企業経営者や人事担当者、そして何より、働く介護者が多いように思います。経団連は今年1月16日、「介護離職予防の取組みに関するアンケート調査結果」を発表しました。その中で、社員の介護経験の活用状況についてヒアリングしています。活用している企業は2割強で、主に社内報などを通して体験談などを紹介しているようです。

 まだまだ始まったばかりなのでしょうが、社員の介護経験の活用は遅れているように感じます。ぜひ、介護者の知識を社内で共有してほしいと思います。働く介護者の皆さん、「あなたの経験は誰かのためになる」のです!

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13905 0 深読み 2018/03/22 10:55:00 2018/03/22 10:55:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180320-OYT8I50055-1.jpg?type=thumbnail

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