サクラ博士にバッタ博士…すごいハカセが日本にいる

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 子供の頃、ある一つのテーマにやたらと詳しい友人に、昆虫博士や恐竜博士といった「〇〇博士」のニックネームをつけたことがあるだろう。博士号は一つの分野に 邁進(まいしん) した研究者の称号だが、科学の世界には「へぇ、こんな分野で道を究めたのか!」と興味をかき立てられるハカセたちが数多くいる。ユニークな彼らの仕事をご紹介しよう。

100年ぶり新種発見のサクラ博士

学会でクマノザクラについて説明する「サクラ博士」の勝木俊雄さん
学会でクマノザクラについて説明する「サクラ博士」の勝木俊雄さん

 春本番を迎え、日本列島の各地からサクラの便りが届いている。誰もが待ちかねたシーズンだ。

 毎年この時期に、マスコミの取材が集中する研究者がいる。森林総合研究所の勝木俊雄さん(50)だ。勝木さんは同研究所に入所以来、26年にわたってサクラを研究している。現在は、全国各地のサクラの名木約1500本を育てている多摩森林科学園(東京都八王子市)の所属で、「サクラ保全担当チーム長」という肩書を持ち、サクラの保全や分類の研究をコツコツ続けている。

 活躍の場は、論文や専門書の世界にとどまらない。2015年に一般向けの著書『桜』(岩波新書)を出したのに続き、今年2月には『桜の科学』(サイエンス・アイ新書)を出版。勝木さんの名は、サクラ博士として広く知られるようになった。

 日本人はサクラに対する思い入れが強く、地域で植樹などを続ける桜守や樹木医の活動がメディアで紹介されることも少なくない。勝木さんは長年サクラを相手に仕事をしてきただけに、サクラの生物学的な特徴に精通しているが、分類学的な研究でも知られる。

 長年、学界で議論の的だったソメイヨシノの親探しでも、「ともに日本固有のエドヒガンを母親、オオシマザクラを父親」とすることで決着させた。韓国には「済州島のエイシュウザクラがソメイヨシノの起源」という主張もあったが、形態学的・遺伝学的分析でそれを退け、16年に論文発表した。

 勝木さんを取材して驚くのは、「花や葉を見ればサクラの品種がだいたいわかる」という鋭い観察眼だ。

 サクラは野生種だけでも日本に10種あり、栽培品種となると数百種類を超すともいわれる。このため、専門家といえどもサクラの見分けには、それぞれ得手と不得手の<ジャンル>がある。「栽培品種ならよくわかる」「ある地域の品種には強い」といった具合だ。勝木さんによれば、野生種も栽培種も両方わかる人というのは「全国で10人くらい」だという。

 実は、長年の研究で培われたこの眼力が大きな発見をもたらした。

 勝木さんたち森林総研チームと和歌山県林業試験場チームが、新種とみられる野生のサクラを和歌山、三重、奈良の3県にまたがる地域で発見した――というニュースが日本中を駆け巡ったのは、3月13日のことだ。

 正式にサクラの新種と認められれば、日本では1915年にオオシマザクラが報告されて以来、103年ぶりになる。

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15090 0 深読み 2018/03/24 05:20:00 2018/03/24 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180323-OYT8I50009-1.jpg?type=thumbnail

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