年間所得200万円も…弁護士はもはや負け組?

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業界は「完全自由競争」時代に

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 司法制度改革以前、弁護士は「日弁連報酬基準」を基に業務を行い、報酬を得ていた。それに、自らの能力を顧客にアピールしようにも「債務整理に強い」「離婚案件が得意」といった専門性や得意分野を打ち出すことさえできなかった。日弁連の規定で広告が禁止されていたからだ。つまり“横並び”に近かった。

 弁護士は「自由業」ではあるものの、日弁連に登録しなければ弁護士業を営むことはできない。さらに、司法修習期を軸とする縦横のつながりもあり、「護送船団方式」に守られた公的な職業という色合いが強い業界だった。

 ところが、司法制度改革により弁護士の報酬は自由化された。ここで登場したのが顧客から「着手金」と呼ばれる報酬を受け取らない弁護士だ。

 例えば、過払い金返還請求であれば、貸金業者などから返還される過払い金の一部を報酬に充当する。顧客からの着手金は無料、「完全成功報酬制」というスタイルである。

顧客ニーズをとらえた「あの事務所」

 債務整理を例に取ると、今、自己破産申請を弁護士に依頼する場合、ややリーズナブルな法律事務所で20万円、一般的には30万円が相場だ。離婚調停の場合だと着手金30万円、顧客の希望通りに事が運んだら、成功報酬は50万円程度といったところだ。これだけの金額を現金で支払える人は、案外、少ないのではないだろうか。

 司法制度改革以降、先述した「着手金無料」など、一般の市民にも使いやすいよう顧客目線でのニーズに応えた報酬の仕組みを導入したり、テレビCMやインターネットによる広告・宣伝で積極的にブランディングを図ったりして急拡大したのが「アディーレ法律事務所」(東京)に代表される〈新興大手法律事務所〉だ。

 かつて弁護士といえば、「八百屋弁護士」とも呼ばれた〈街弁=街の弁護士〉にみられるように、一人で債務整理から離婚事案、企業間のトラブルまで、あらゆる案件を最初から最後まで手掛けたものだった。

 一方、新興大手では、面談、書面、裁判……など、担当を細かく区分けし、書類作成などの雑務は法曹資格を持たない「パラリーガル」と呼ばれる事務員を活用。過払い金請求や債務整理などの案件に絞り、効率よくサービスを提供するようになった。

 修習を終えた若手が新興大手に就職することについて、愛知県弁護士会の鈴木秀幸弁護士は「それでは弁護士としての実力が身に付かず、独立した際に困るのではないか」と憂慮する。

 一方、新興大手に籍を置いたこともある中堅弁護士は、「それまで弁護士の視点に入っていなかったマーケティング力と組織力を学べたことが大きい。弁護士としての実力は独立してから自分で身に付けた」とそのメリットを説明する。

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15408 0 深読み 2018/04/05 07:20:00 2019/01/22 16:02:11 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180403-OYT8I50057-T.jpg?type=thumbnail

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