「非核化」巡りすれ違い、米朝首脳会談に漂う暗雲

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そろわない米韓の足並み

中国の習近平国家主席の特使として訪韓した中国共産党の楊政治局員と会談する韓国の文在寅大統領(右)。会談で楊氏は中朝首脳会談の結果を伝えた(AP)
中国の習近平国家主席の特使として訪韓した中国共産党の楊政治局員と会談する韓国の文在寅大統領(右)。会談で楊氏は中朝首脳会談の結果を伝えた(AP)

――今月27日に南北首脳会談が行われる。韓国はどのような考えで会談に臨むのか。

 「韓国大統領府によれば、文大統領は『一括妥結、段階的実行』というシナリオを描いているようだ。文氏の言葉を借りれば、『朝鮮半島の平和体制構築のための一括妥結』となる。

 北朝鮮に『休戦状態を終わらせよう。後で平和協定を結ぶことを前提に、交流を拡大していく。そのための環境作りとして信頼構築に向けた様々な交流から始めよう』と呼びかけるのだろう。『非核化』については、原則を確認するだけに(とど)めておき、北朝鮮にプラスになる南北交流の拡大で『大胆な妥結』をしようとしているのではないか。

 考えられるのは、6月15日に金大中(キムデジュン)大統領(当時)と金正日総書記が2000年に南北交流拡大をうたった『6.15宣言』に署名したことを記念する行事を共催する。8月15日には日本からの独立を祝う光復節の共同イベントを開催する。9月には南北離散家族の再会事業をスタートさせ、これを恒例化し、場所は金剛山とする。そうすれば、金剛山観光は人道的な意味をもち、制裁は自然と無力化する。10月4日には盧武鉉(ノムヒョン)大統領(当時)と金正日総書記が2007年に署名した「10.4宣言」共同イベントを開催するなど、平和ショーを考えるはずだ。目的は、米国が軍事攻撃するスキを与えないこと、制裁で孤立する北朝鮮を生き返らせるためだろう」

国防総省を訪れ、マティス米国防長官(右)と並んで歩くジョン・ボルトン次期国家安全保障担当大統領補佐官(ロイター)
国防総省を訪れ、マティス米国防長官(右)と並んで歩くジョン・ボルトン次期国家安全保障担当大統領補佐官(ロイター)

――米韓の足並みはそろっているのか。

 「米国は、北朝鮮の核問題を解決するには、核の完全廃棄を先行させる『リビア方式』しかないと考えているようだ。次期国家安全保障担当大統領補佐官に指名されているジョン・ボルトン氏の発言を総合してみると、ほぼ間違いない。

 しかし、韓国では『リビア方式』は北朝鮮には通用しないという声が朝野にあふれている。丁世鉉(チョンセヒョン)元統一相が『北朝鮮の核をただで取り上げるなんてありえない』と発言するなど、米国とは異なることを考えている。

 文政権が描くシナリオは、大ざっぱに言うと、まず一括妥結をして、その後、段階的に非核化に向けて努力するというもの。つまり、出口で非核化を実現するということだ。しかし、米国はそのような方法で何度も北朝鮮にだまされた経験があるので、過去の(てつ)を踏まないという姿勢だ。入り口で核放棄を迫るはず。

 文大統領は、米国と基本的には同じ立場だと言っているが、とんでもない。米国とは真逆のことをやろうとしているのではないか」

――そうした文政権を米国はどう見ているのか。

 「米国は今まで、文政権が北朝鮮にすり寄って行くことだけは避けたいと考え、我慢して『我々は一緒だ。緊密に連絡をとっている』などと、リップサービスしてきた。

 それが最近、韓国が米国と自由貿易協定(FTA)で大筋合意したと鼻高々に発表した直後に、トランプ大統領が『北朝鮮と合意するまで(最終決定を)保留するかもしれない』と言い出した。『これは南北首脳会談次第だ。その後、どうするかを決める』と言っているようなもので、はっきり文政権を牽制(けんせい)している」

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15719 0 深読み 2018/04/06 17:57:00 2018/04/06 17:57:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180406-OYT8I50047-T.jpg?type=thumbnail

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