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なぜ? 回転寿司のファミレス化が止まらない

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回転寿司の大きな「武器」

 しかし、回転寿司チェーンには、ファミレスにはない大きな武器がある。

 その一つが、ファミレスと比較した場合の、売上収益(売上高)に占める人件費を中心とした販売管理費(販売費及び一般管理費)の割合(売上高販管費率)の低さだ。

 ファミレス最大手で「ガスト」などを展開するすかいらーくを例に挙げてみよう。すかいらーくの17年度の販管費率は約61.7%。これに対し、回転寿司首位のスシローの親会社、スシローグローバルホールディングスは約45.4%で、すかいらーくより約16ポイント低い。

写真はイメージです
写真はイメージです

 回転寿司は専用のベルトコンベヤーを使い、基本的に人の手を介さず客席まで料理を運べるため、ウェーターやウェートレスなどホールを担当する従業員が少なくてすむ。つまり、人件費を低く抑えられるのだ。外食産業全体が人手不足で人件費の高騰に苦しむ中、これは大きな強みと言える。

 一方、17年度の売上収益に占める、材料など商品の原価(売上原価)の割合(売上原価率)は、すかいらーくの約30.1%に対し、スシローが約48.3%で約18ポイント高い。

 一般的に、外食産業の売上原価率は30%程度といわれる。すかいらーくが低いというより、スシローが高いのだ。スシローの原価率の高さは、外食産業でもかなりの水準にあるとされる。くら寿司もスシローに近い原価率だ。

 つまり、販管費が抑えられる分、寿司ネタなどにお金をかけ、低価格で提供することができるのだ。

回転寿司はファミレスの「脅威」となるか?

 もし、売上原価率が低いファミレスのメニューを回転寿司チェーンが積極的に導入すれば、平均の原価率が下がって、より高い利益率を確保できるようになる可能性がある。一方で、販管費が大きく上がりそうな要素はないため、原価を抑えて捻出した費用で「目玉商品」を投入できるかもしれない。

 利益を重視する場合は前者を、集客を重視する場合は後者を選ぶことになるだろう。仮に後者を選択した場合、ファミレスにとっては大きな脅威となるに違いない。

 ファミレスには、商品開発力などで「一日の長」があり、顧客満足面でファミレスがすぐに回転寿司チェーンに後れを取ることはないだろう。しかし、価格や品質、品ぞろえなどを総合すると、回転寿司チェーンは決して引けを取らないと筆者は考えている。

 回転寿司の“ファミレス化”は今後も止まらないのではないだろうか。ファミレス各社は回転寿司を「しょせん、真似(まね)ごと」などと軽く見ていては足をすくわれ、市場を奪われかねない。ファミレス側にも商品開発の努力や、お客を喜ばせる仕掛け作りが求められる。業界の垣根を越えた「外食産業の大競争時代」の幕開けも近いかもしれない。

プロフィル
佐藤 昌司( さとう・まさし
 クリエイションコンサルティング代表取締役社長、店舗経営コンサルタント。1977年生まれ。立教大学卒。アパレル大手での12年間の勤務と経営コンサルティング業の経験から、マーケティング政策の立案、人材育成、店舗オペレーションの改善などを得意とする。

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