合格しても安心できない…中学受験の誤算と再起の道

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偏差値70台、東大ランキング校にも悩む生徒が

「進学校の生徒からの相談が増えている」と話すNPO法人「高卒支援会」の竹村聡志さん
「進学校の生徒からの相談が増えている」と話すNPO法人「高卒支援会」の竹村聡志さん

 進学校を含む私立中・高でどれだけの退学者が出ているのか、その実態は不透明だ。2005年に東京都中学校長会が、東京私立中学高等学校協会に「安易な退学処分の自粛」を申し入れ、私立側が反論する事態となったが、具体的な退学者数などについては「調査はしているが、データは公表しない」(東京都中学校長会)としている。

 ただ、関係者の話から垣間見える部分もある。不登校や中退の相談を年間450件受けているというNPO法人「高卒支援会」の教務部長・竹村聡志さんが言う。

 「近年は中高一貫進学校の生徒の不登校や退学に関する相談が増えています。偏差値70台の進学校や東大合格者ランキングに名を連ねる学校に通う生徒もいます。悩みや問題を抱えている生徒に、学校側はただ『勉強しなさい、このままじゃ大学行けないぞ』と脅すだけなのでしょう」

 生徒や親から相談を受けた竹村さんたちは、学校に連絡して「一緒に対応を考えませんか」と提案するそうだが、多くは徒労に終わるという。

 「『ウチはウチだけで(解決するので)大丈夫です』と断られます。私たちと相談して、スムーズに他校へ転入させることも考えて欲しいのですが、ひどい場合だと、中学3年の2月や3月になって、『(中高一貫校だが)上の高校へは上がれません。(中学卒業後は)出て行って下さい』とバッサリ切られることもあります。その時点では他校の高校受験は終わっているのに」

「転校したほうが…」成績の悪い生徒に“肩たたき”も

 竹村さんの話は氷山の一角か、それともレアケースか――。中高一貫の進学校に通っていた生徒やその保護者たちを取材すると、前者であることがはっきりしてきた。勉強について行けずに悩んでいたら、学校側から「肩たたき」にあったという声が次々に上がったのだ。

 「『(勉強に)ついていけないなら、転校したほうがいい』と何度も言われた。高校も外部を受験するように言われた」(C君の母親)

 「テストの成績が悪いと、先生に『おまえ、このままだとやばいよ。ついてこれなきゃ終わりだよ』と言われた。赤点で補習になったメンバーが1人、また1人と、学校を辞めていった」(D君)

 D君は、前出のAさんと同じように、通信制高校へ転入する道を選んだ。「(中高一貫の)学校では、いい大学に行くことがすべてという価値観で、ぼくには合いませんでした。ぼくにはもっとのびのびできる学校がよかったのだと思います。でも中学受験のときはまだ小学生で、学校を偏差値でしか見ていませんでした」

赤点続きで「問題児クラス」に

 成績の上がらない生徒ばかりのクラスを置く学校もあるという。

 「中学受験が終わった解放感もあって、勉強をさぼっていたら中2でついていけなくなった。特に英語は赤点続きでした。中3からは(通称)『問題児クラス』に入れられました。成績不振や問題行動のある生徒だけが集められたクラスで、高1で留年になるまで放っておかれました」(E君)

 次第に学校から逃避するようにゲームにのめり込み、生活は昼夜逆転して、高1の5月には学校へほとんどいかなくなってしまったそうだ。現在は通信制高校に転入して、高校卒業を目指してがんばっているという。

 竹村さんは、「(子どもが授業についていけない状態で)保護者の対応が遅くなれば、(高校の場合は)留年が確定してしまうこともあります。転学は遅ければ遅いほど不利になる。選択肢が少なくなるので、早めに相談することが望ましい」と話している。

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18627 0 深読み 2018/04/25 07:20:00 2018/04/25 07:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180420-OYT8I50048-T.jpg?type=thumbnail

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