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ディズニーも恐々…五輪人材ニーズ92万人の衝撃

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五輪商機を見送る?

(画像はイメージ)
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 五輪人材ニーズでやっかいなのは、人手不足とは別のところにもあります。

 五輪によって構造的に人材不足に直面している産業において、大規模な労働需要が喚起されるわけですが、問題はその需要が一過性であるということです。

 右肩上がりの経済成長局面においては、人材を増やせば増やすだけ、その後の売り上げの増加が期待できます。しかし、オリンピック後の経済動向が不透明な日本においては、五輪後の雇用を維持できるかどうかも不確実だということです。

 そうすると、外部から人材を調達するのではなく、内部にいる人材のやりくりで対応しようという意識に傾くかもしれません。

 日本のおもてなし産業は、シフトで運用される就業構造が主流です。雇用する人材の頭数を増やすより、現有メンバーのシフトに入る回数を増やすという稼働時間調整で乗り切ろうと考えるでしょう。

 ただし、慢性的な人手不足という現状に加え、五輪特需、さらには現有戦力のボランティアによるシフト離脱が重なれば、現場の店舗運営はかつてない苦境に陥ることになります。

 全国展開する大手チェーンであれば、五輪期間だけほかの地域のスタッフを応援派遣で呼ぶという対策を講じることも考えられますが、既存戦力のフル回転にも限度があります。そうなると、現有スタッフの労働環境はブラック化、あるいは、五輪商機の見送りという残念な事態に陥るリスクは少なくないでしょう。

切り札は外国人労働者

(画像はイメージ)
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 建設業と同様におもてなし産業も、より一層、外国人労働力に頼らざるを得ないかもしれません。多言語対応が求められるようになる中で、カタコトの日本語であっても英語を話せる外国人であれば戦力になる可能性もあります。

 あるファストフードチェーンは慢性的な人手不足をカバーする目的だけでなく、2020年を見越して本格的にベトナム人の採用に踏み切りました。現状では、技能実習生の対象職種としてサービス業は認められておらず、留学生の雇用が主流となります。ただ、留学生の場合、週28時間という労働条件に縛られてしまいます。

 そこで、人手不足解消のため、ワーキング・ホリデーの活用を促進するのはどうでしょうか。

 日本のワーキング・ホリデービザは、18~30歳までの協定締結国の国民に対し、最長1年間、日本において休暇とその資金を補うための一時的な就労の機会を与える在留資格です。在留期間が限られ、労働時間の制約がないという制度特性、そして、年齢属性を見ても、五輪で生じる一過性特需の対応人材として最適です。

 もちろん制度の趣旨からいえば、ワーキング・ホリデーを単なる労働力として捉えることは許されないでしょう。しかし、オリンピックの開催国で享受できる稀有な体験を考えれば、2020年に働きながら日本で過ごすことは、その国の文化を深く理解するというワーキング・ホリデーの趣旨に違わないと思います。

 ちなみに、現在、日本とワーキング・ホリデービザ協定を結んでいるのは、オーストラリア、ニュージーランド、カナダなど計20か国・地域。

 外務省のビザ発給統計によると、2016年に発給されたワーキング・ホリデービザは1万3958。最も多い台湾の4977人に次いで、韓国3818人、オーストラリア1118人、フランス1073人と続きます。

 もちろん、ビザ発給においてはクリアすべき点はあるでしょう。協定国の拡大など外務省にぜひ検討していただきたいものです。

プロフィル
平賀 充記( ひらが・あつのり
 アルバイト・パート専門人材コンサルティング会社ツナグ・ソリューションズ取締役。ツナグ働き方研究所所長(「ツナケン!」)。1988年、リクルートフロムエー(現・リクルートジョブズ)入社。「FromA」「タウンワーク」「とらばーゆ」「ガテン」などリクルート主要求人媒体の全国統括編集長などを経て、2014年から現職。著書に「非正規って言うな!」(クロスメディア・マーケティング)、「アルバイトが辞めない職場の作り方」(同、共著)


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22350 0 深読み 2018/05/12 07:24:00 2019/01/22 16:05:23 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180507-OYT8I50028-T.jpg?type=thumbnail

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