地方大学「冬の時代」…野球部のあり方と未来は?

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大学本体の環境変化は少なくない

大学設置者が変わった苫小牧駒沢大。胸には「Komazawa」の文字が躍る一方で、右肩には「京都育英館」と記されている(2018年6月12日、三宅宏撮影)
大学設置者が変わった苫小牧駒沢大。胸には「Komazawa」の文字が躍る一方で、右肩には「京都育英館」と記されている(2018年6月12日、三宅宏撮影)

 少子化に伴って、大学を取り巻く環境は厳しくなっている。

 文部科学省は今年2月、2040年度の大学進学者数は17年度より2割少ない約50万6000人になるとの推計を示した。大学進学率は53%から57%に伸びるものの、少子化の進行に追いつかず、入学定員の充足率は現状の104%から84%に落ち込む見通しだ。

 近年の野球部に絡むものでは、楽天のエース・則本昂大を生んだ三重中京大が、則本が全日本選手権のマウンドを踏んだ翌年の2013年に閉校になっている。

 今大会の様子を探ってみよう。

 まず、苫小牧駒沢大(2回戦で敗退)の設置者が、学校法人駒沢大学から学校法人京都育英館に代わった。駒大は2017年1月に、「(苫小牧駒沢大)の入学者数の減少に歯止めがかからず、大学単体での運営は不可能になった」とし、2018年4月からの設置者変更を発表した。

 大学の名称、教育・研究体制は現行のまま、3年後までは継続される。野球部のその後については、渡辺和弘副学長が「伝統のある野球部なので、しっかりつないでいこうと思っている。火を消してはならない」と明言。「どんな大学名になっても、伝統を引き継いでいく。野球部に限らないが、学校生活において、勉強以外に打ち込むものは必要と理解している」と野球部存続に前向きな姿勢を見せている。

 京都学園大(2回戦で敗退)は今春、理事長に永守重信・日本電産会長兼社長が就任した。来年4月から校名を「京都先端科学大学」に変更、2020年に工学部を作ることを計画している。

 永守パワーで「学校力」が上がり、「入学するのが難しくなるのではないか」と現役選手の中には新体制を心配する声もあるが、藤塚晃生・大学事務局長は「今まで通り、応援していく。(文系の)既存学部はなくならない。工学部を設置しながら、総合大学として文理を融合していくという姿勢。永守理事長のことだから、応援はもっと熱くなるのではないか」と話している。

 こうしてみると、全国レベルで活躍している野球部の場合は、大学本体の動静の影響を受けないようだ。

 では、実際のところ、大学にとって野球部の全国的な活躍は、少子化対策になりうるのだろうか。最後に、富士大の鈴木野球部長に再登場いただこう。

 「今後、定員をクリアしながら、質の高い教育と部活動の両方をやっていくことを考えた時、野球部の活躍は大きい。本学の立ち位置としては、すべての学生にベストパフォーマンスを提供しようという狙いがあり、野球部はいま、その先陣を切って、晴れの舞台で活躍しているということです。OBを含め、そんな彼らの活躍を全国の人が見てくれているというのはインパクトが大きい」

プロフィル
三宅 宏(みやけ・ひろし)
 1985年入社。福島支局を振り出しに90年10月から運動部。巨人担当として、松井秀喜入団、10・8中日-巨人最終決戦、原辰徳引退などを取材した。長野五輪取材のため2年間の長野支局勤務の後に運動部復帰。フィギュアスケート、ゴルフ担当も経験した。紙面審査委員を経て、2016年6月から現職。

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26009 0 深読み 2018/06/14 10:30:00 2018/06/14 10:30:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180613-OYT8I50006-T.jpg?type=thumbnail

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