子どもの居場所(下)「希望の進路へ」学習支援で後押し

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支援が必要な子を見捨てない

 福島第一原発から30キロ圏内に開設され、今春初めて卒業生を送り出した福島県立ふたば未来学園高校。ここにも、放課後に学習支援を行う場がある。NPO法人カタリバに運営を委託し、別棟に開設された「双葉みらいラボ」。生徒の中には、避難先でいじめや不登校を経験した生徒が少なくない。若いスタッフとざっくばらんに話すなかで、生徒が本音を漏らせる場になれば、という思いも関係者にはある。ここで放課後、勉強に励んだ山田拓甫(たくと)さん(18)は今春、北海道医療大学に進学した。震災後、避難先になじめず不登校になった経験がある。「将来は、地元に戻ってスクールカウンセラーになりたい。みらいラボで勉強することで、受験に向けて意識を高められた」と振り返る。

 政府は大学無償化を掲げ、困窮世帯の生徒などを対象とした給付型奨学金を大幅に拡充する方針を打ち出した。国の財政が厳しいこともあり、入学後の成績を厳格にみることを条件としているが、家庭の経済状況が苦しい場合、十分に学習に専念できる環境になかったケースが多いことを踏まえなければならない。子どもたちの状況やどんな支援が求められているか、よく把握したうえで具体的な制度を検討していく必要があるだろう。

 子ども食堂のような地域のつながりを大切にした緩やかな支援と、特に支援が必要な子どもたちを見捨てない集中的な支援。地域の実情に応じて双方を組み合わせ、将来の進路の幅を広げられるよう手助けする取り組みが求められている。

プロフィル
古沢 由紀子(ふるさわ・ゆきこ)
 読売新聞論説委員。教育、都政の社説を主に担当。1987年入社。山形支局、社会部、ロサンゼルス特派員、生活情報部次長、教育部長などを経て現職。小学生男子の「悩める母親」でもある。著書に「大学サバイバル」(集英社新書)、共著に「大学入試改革~海外と日本の現場から」(読売新聞教育部、中央公論新社)がある。

 

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33440 0 深読み 2018/06/14 05:20:00 2019/05/28 14:15:36 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180614-OYT8I50028-T.jpg?type=thumbnail

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