民泊で活性化を狙う地域とは

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 急拡大する民泊の中には、法令の認可を受けずに営業し、騒音やゴミ出しなどを巡り、近隣住民とトラブルになっても取り締まることができない物件が少なくなかった。このため、17年6月、民泊法が成立、物件を提供する住宅宿泊事業者、物件の管理代行業者、仲介事業者(プラットフォーマー)の要件や責務、監督体制等を定めた。併せて、自治体が地域事情に応じて民泊への営業規制を強化することも認められた。

規制と活用の両立目指す京都市

(資料)観光庁「訪日外国人消費動向調査「有償での住宅宿泊」利用観光客の詳細分析」(注)「その他宿泊先」はホテル、旅館、別荘等、学校・会社所有の施設、知友宅、ユースホステル等以外の施設を指し、多くは有償での住宅宿泊とみられる。
(資料)観光庁「訪日外国人消費動向調査「有償での住宅宿泊」利用観光客の詳細分析」(注)「その他宿泊先」はホテル、旅館、別荘等、学校・会社所有の施設、知友宅、ユースホステル等以外の施設を指し、多くは有償での住宅宿泊とみられる。

 京都市には多数の民泊物件が立地し、周囲とのトラブルも頻発したため、民泊法成立前から民泊への対応を強化してきた。15年に関連部署で対応プロジェクトチームを組織し、16年7月に通報・相談窓口を開設。11月には指導要綱を策定した。さらに17年4月には民泊対策専門チームを設置し、9月には上乗せ規制の内容を検討するため、学識者やコミュニティー活動代表を交えた検討会議を設置した。会議では、狭い路地や木造建築の多い居住環境、質の高い観光地を目指す将来ビジョンなどを踏まえ、京都らしい民泊のあり方を検討した。

 検討会議の答申を受けて策定された同市の条例では、家主が同居する物件、古民家や京町家を活用した物件は住居専用地域でも180日、営業可能とするなど、特色ある街並みや路地の風情を保全しつつ生かそうという意図が明確である。

 そのほかの民泊の営業が可能な時期を冬季2か月間に限定し、家主不在の物件では10分以内の駆けつけ義務を管理者に課すなど厳しい内容となっている。

 こうした市条例の趣旨に沿う形で、宿泊事業に参入する企業も登場。京町家は京都らしい景観を形成する貴重な存在だが、過去7年間で年率2%の計5600軒が消滅したという。同市に本社があるワコールは今年4月、京町家を改修した宿泊施設を開業した。ただし、民泊とは異なる、旅館業法上の許認可を得た簡易宿所営業だ。5年後に京都市内で50前後の同様の施設展開を目指すという。京町家の宿泊施設への転用には多額の費用がかかる。資金のゆとりがある企業が積極的に関与することで、京町家の保存と京都の風情を生かした宿泊サービスの提供が期待される。

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27742 0 深読み 2018/06/27 17:00:00 2018/06/27 17:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180627-OYT8I50070-T.jpg?type=thumbnail

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