自己破産、生活苦…知らずに借りると奨学金は危険

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【その4】いくらまでなら返せるか

(画像はイメージ)
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 奨学金を借りるとき、その額をいくらで申し込むかは大変悩ましいところです。「借りられる枠」と「返していける額」は別問題です。将来きちんと返していけるかどうかは自己判断のため、自分で決めなければなりません。

 これまでのFP相談に基づけば、将来の返還月額を2万円未満に抑えることが一つの目安と言えます。4年間で240万円をJASSOで借りた場合、月々約1万4000円を15年間で返還することになります。

 奨学金で月額8万円を借りるなら4年間の総額は384万円となり、月々約1万7000円を20年間で返還することになります。「それくらいなら大丈夫」と思う人も多いようですが、実際に返還している人に聞いてみると、この負担が「想像以上にキツイ」という声もあります。

 新社会人の月収が20万円という場合で考えてみましょう。

 所得税・社会保険料などを天引きされた後の手取りは16~18万円程度。都内で暮らすなら、家賃6万円、食費3万円、水道光熱費・通信費・携帯電話料金2万円、こづかい2万円、理美容・被服代1万円といった家計支出が想定されます。この場合、保険・貯蓄・奨学金返還に充てられる残金は2万円ほどです。

奨学金返還も綱渡り

 返還額が多ければ、貯蓄などに回す余裕はありません。そればかりか、肝心の奨学金返還も綱渡りになるかもしれません。

 大学院や6年制(医学部・薬学部など)に進学し、奨学金を多めに借りる場合は特に注意が必要です。社会に出てから、“借金”返済のために働いているような状況になり、仕事へのモチベーションは上がらなくなってしまいます。貯蓄は思うように増えず、将来設計を描けず、精神的なゆとりのない生活になる危険性があります。

 こういったリスクに陥らず、将来の生活を安定させるためにはどうすればいいでしょう。次の二つの点を心がけてください。

 「給付型奨学金を見落とさないこと」
 「貸与型は将来の返還月額ベースで2万円まで、多くても2万5000円を上限と考えて借入額を決めること」

 いくら借りたら、毎月いくらの返還になるのかというシミュレーションがJASSOのサイトで確認できます。奨学金を借りる前に、必ず試算しておきましょう。

【その5】奨学金の返し方を考える

 奨学金を借りるときは、「返し方」についてもあらかじめ決めて申込みます。このときに頭を悩ませるポイントは主に2つあります。

〈利息のある【第二種】の場合〉

 まず、【第二種】で奨学金を借りるときに聞かれるのが、「固定利率方式」か「利率見直し方式」です。固定利率方式は利息額が返還の全期間を通して一定ですが、利率見直し方式はおおむね5年ごとに見直しがあり、利息額が多くなったり少なくなったりします。奨学金の貸与終了の一定期間前であれば、この方式を変更できます。

 「就職内定先は昇給が見込めそうにないから、固定利率方式にする」

 「就職先は堅実にベースアップする業種だから、利率見直し方式にする」

 このように、就職先が決まったら改めて、方式を検討することが大切です。

〈無利息の【第一種】の場合〉

 無利息の【第一種】の返還方法は、「定額方式」か「所得連動返還方式」です。定額方式は毎月一定額を返還する方法です。これに対し、所得連動返還方式は原則として前年の所得に応じて返還額が決まります。所得連動返還方式の場合、月々の返還額が変わるため、それに応じて返還期間も変わり、月々の返還が少なければ返還期間が延びてしまいます。

 それでは、どちらを選べばいいのでしょう。“つぶしが効く”という点で考えるなら、定額方式がおすすめです。定額方式を選択していれば、返還を始めてからでも、収入が少なくてキツイと思った時点で所得連動返還方式に変更ができるからです。これに対して、所得連動返還方式を選んだ場合は、返還を始めた後に定額方式に変更することができません。

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33270 0 深読み 2018/07/09 07:30:00 2019/01/22 16:11:54 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180704-OYT8I50017-T.jpg?type=thumbnail

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