迫る「超ソロ社会」…ひとりで死ぬのは宿命か?

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変わる「埋葬」のカタチ……

 そして、埋葬の世界も「激変」している。

写真はイメージです
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 核家族化や少子化が進む現在、大都市を中心に墓地の継承者や縁故者が存在しない、いわゆる「無縁仏」が急増しているが、超ソロ社会の到来でこの問題がますます深刻化することが予想される。

 しかし、墓地が個人のものから「家」のものとなり、「先祖代々の墓地を守り続ける」という風習は明治時代以降に定着したものであり、旧来の伝統ではない、というのをご存じだろうか。弔う人のいない無縁仏などの問題の深刻化が予想される中、筆者が注目しているのは認定NPO法人「エンディングセンター」(東京・町田市)が進めている「桜葬」である。

 桜葬とは、桜をシンボルとした一種の樹木葬(墓石の代わりに樹木を墓標とする墓)だ。エンディングセンターは05年に東京都町田市の町田いずみ浄苑、11年に大阪府高槻市の()()(さん)寺境内に桜葬ができる墓地を開設した。

 桜葬の特徴として
(1)骨を土に(かえ)すという「自然志向」であること
(2)後継ぎを必要としない「非継承墓」で、かつ複数の墓が集まる「集合墓」であること
(3)会員制で、会員同士の生前の活動を重視し、家族に代わるサポートシステムを備えていること
 ――などが挙げられる。

 (3)は桜葬墓地から10分ぐらいのところに「もう一つの我が家」と名付けた一軒家を設け、会員がそれぞれ食材を持ち寄って料理したり、歌を歌って楽しんだりするイベントを定期的に開催。生前から「(はか)(とも)」を作る活動を支援する、というものだ。

 晩年は家族に頼らず、自分の最期を自分で選んで決めなければならない――。そういった社会の到来に備え、理事長の井上治代氏は「今後、介護から看取り、葬儀などに関して、家族だけでなく、第三者と縁を結ぶことによる『相互扶助』も重要になってくる」と指摘する。

安心して死ぬための「結縁」

 ホームホスピスにエンディングセンターの取り組み。共通するキーワードは「血縁」ではなく「結縁(けつえん)」だ。

 超ソロ社会は、「困ったときに頼れるのは家族や親族ではなく、近くの他人」という社会、ともいえる。今後、血縁のないお年寄りが試行錯誤しながら助け合い、趣味サークルの後輩らが先輩を看取る、などといった「看取りの互助社会」が形成されていくことだろう。

 来世も「おひとりさま」人生を歩みたい、と考えている人が多いとする調査結果を冒頭で紹介した。「ホームホスピス」や「桜葬」などの例を参考にしつつ、超ソロ社会となっても、「幸せな最期」を迎えられるよう、自ら準備しておくことが肝要ではないだろうか。

プロフィル
藤 和彦( ふじ・かずひこ
 経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省。エネルギー、通商、中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(内閣情報調査室内閣情報分析官)。16年から現職。著書に『石油を読む(第3版)』『原油暴落で変わる世界』ほか多数。

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