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国内メーカー、最高益相次ぐ


しかしその後、日本の総合電機メーカーは、世界的な好景気を背景に、「選択と集中」で不採算部門を整理したり、リーン(筋肉質)な企業体質に変えたりしたことにより、復活の兆しを見せている。
例えば、パナソニックはセンサーや電池などの車載製品や、工場の自動化に使う機器などがけん引し、18年3月期連結決算の最終利益は前期比58%増の2360億円と、過去最高だった08年3月期(2818億円)以来の高水準となった。
また、鴻海傘下入りしたシャープは、18年3月期の最終利益が702億円となった。最終損益が黒字になったのは14年3月期以来、4期ぶりだ。
一方、テレビやオーディオなどの黒物家電メーカーのイメージが強いソニーは、ゲームや音楽、映画部門が健闘し、18年3月期の最終利益が前年同期の6.7倍の4907億円となり、08年3月期以来、10期ぶりに過去最高を更新した。
さらに、日立製作所と三菱電機も18年3月期、本業のもうけを示す営業利益が過去最高になった。ただ、19年3月期には大手電機8社のうち4社が減益予想となるなど、その流れが持続可能なものになるかどうかは予断を許さない状況ではある。
しかし、「マスマーケット」(不特定多数の顧客がいる市場)を捨て、「コアマーケット」(少数の限られた顧客で構成される市場)に対し、顧客と意見交換しながら、不完全な製品・サービスであっても市場に投入し、改良を加えていくという日本の総合電機メーカーの戦略は、少しずつ成功の様相を見せ始めている。