もはや瀕死?「日の丸家電」は復活できるか

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ソニーの「復活劇」

ソニーの新型有機ELテレビ(ソニー提供)
ソニーの新型有機ELテレビ(ソニー提供)

 かつての赤字体質から一転、18年3月期に最終利益で史上最高となったソニーはどうだろうか。

サムスンの牙城・韓国を攻める家電メーカーとは

 ソニーは映画、音楽、銀行など、幅広い分野でビジネスを展開しており、もはや総合電機メーカーとはいえない存在になった。だが、依然としてソニーブランドの黒物家電は多くの「ファン」がいる。

 ソニーは液晶テレビ向けのパネルを自社で生産せず、韓国のメーカーなどから調達している。昨年から販売を始めた有機ELテレビも同じだ。

 現在は、画像の色、明るさやノイズなどを調整し、美しい画像を映し出すためのソフトウェアの競争が激しくなっている。特にソニーは画像処理技術を得意とし、テレビの「高画質」を前面に押し出している。また、画面から音が出ているように感じる設計にするなど、コンテンツを臨場感あふれるものにするための工夫も重ねている。

 このようにソニーは、洗練されたデザインや使いやすさなども含め、付加価値の高い製品に特化した「量より質」の戦略を明確に打ち出している。家電部門だけで黒字が出るようなビジネスモデルを試行錯誤して、成功を収めたと筆者は考えている。

「気骨」見せる日の丸家電

 各社とも、10年後に海外のメーカーなどに勝っているかもしれないし、負けて家電から撤退しているかもしれない。しかし現在、日本の家電メーカーに共通するのは「座して死を待つ」のではなく、戦略を熟考しつつ、海外メーカーに勝とうとする「気骨」を見せていることだ。

 各社の担当者らの話を聞きながら、「日の丸家電」にも海外製品と戦える底力がある、と筆者は安堵(あんど)した。耳を澄ますと復活の足音が聞こえてくる気がする。今後の総合電機メーカーから目が離せない。

プロフィル
中村 吉明( なかむら・よしあき
 1987年、早稲田大大学院修了、通商産業省(現・経済産業省)入省。環境指導室長、立地環境整備課長、産業技術総合研究所企画副本部長などを経て、現職。米スタンフォード大大学院修士課程、東京工業大大学院博士課程修了。専門は産業政策論、産業論。近著に「AIが変えるクルマの未来-自動車産業への警鐘と期待」(NTT出版)がある。

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