洪水危険、土砂崩れ注意…「地名」は警告する

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天災は忘れないだけでは不十分

『市町村名語源辞典』(東京堂出版)『あぶない地名』(三一書房)などを参考に作成。具体的な地名は、必ずしも災害の危険がある地名を意味しない。
『市町村名語源辞典』(東京堂出版)『あぶない地名』(三一書房)などを参考に作成。具体的な地名は、必ずしも災害の危険がある地名を意味しない。
寺田寅彦
寺田寅彦

 住んでいるところの旧地名や由来、さらには郷土史を調べるのと同時に、自治体が公表しているハザードマップを確認し、いつでも見ることができるようにしておく。自分なりの防災マップを作る作業は、災害を他人事としない第一歩にもなる。自治体も過去の郷土の記録を整理し、災害地名をハザードマップに掲載したり、地区に説明板を設けたりして、もっと防災対策に生かす策を考えてもいい。

 大きな災害のたびに言われる「天災は忘れた頃にやってくる」は、科学者で随筆家でもあった寺田寅彦(1878~1935)の名言とされるが、実は寅彦の論文や随筆にこの言葉はない。寅彦が口にした言葉を、弟子の中谷宇吉郎(1900~62)が寅彦の随筆で読んだと思い込んで紹介したことで広がった。

 後に宇吉郎は出典を問われて寅彦の随筆をすべて読みなおした。「天災は…」の言葉は見つからなかったが、改めて寅彦の教えを切実に感じたのだろう。宇吉郎は寅彦の名言を「先生がペンを使わないで書かれた文字ともいえる」と述べている。

 人は忘れる生き物だ。思い出せなくなったら記録を読みなおせばいい。ただし、それで終わりではいけない。寅彦とともに関東大震災の被害調査に取り組み、「地震の神様」と呼ばれた地震学者の今村明恒(1870~1948)は、「天災は忘れないだけでは不十分で、防備することが重要だ」と補足を加えている。

プロフィル
丸山 淳一( まるやま・じゅんいち
 読売新聞東京本社経済部、論説委員、経済部長などを経て、熊本県民テレビ報道局長から読売新聞編集委員・BS日テレ「深層NEWS」キャスターに。経済部では金融、通商、自動車業界などを担当。東日本大震災と熊本地震で災害報道の最前線も経験した。1962年5月生まれ。小学5年生で大河ドラマ「国盗り物語」で高橋英樹さん演じる織田信長を見て大好きになり、城や寺社、古戦場巡りや歴史書を読みあさり続けている。

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