富士急ハイランドが“入園無料戦略”で勝負するワケ

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周遊観光を目指す地方も参考に

鬼怒川・川治温泉周辺の施設を示す案内板(2004年撮影)
鬼怒川・川治温泉周辺の施設を示す案内板(2004年撮影)

 栃木県の観光地、鬼怒川・川治温泉は、2003年に地元の旅館やホテルの多くがメインバンクとしていた足利銀行の破綻の影響を受けた後、「周辺地域のテーマパーク化」による再生を目指した。

 近郊の東武ワールドスクウェアやロープウェーなどの施設を含め、周辺一帯を巨大なテーマパークと認識してもらう方法で周遊観光を促し、地域を潤すアイデアだった。

 柵やフェンスで囲われた施設内で一つの世界観を表現するのであれば、来場者に伝わりやすい。しかし、各施設が広域に散らばっていては、それらをつなぐテーマ性を見いだしにくく、何らかの「仕掛け」がなければ、認識を広めるのは難しい。今回の富士急ハイランドの取り組みが成功すれば、他の観光地もヒントを得られるのではないか。

テーマパークは常に変革を

 どんな時代にも、人は「楽しさ」を求める。レジャー施設の魅力は、日常生活にないスリルや興奮、感動が体験できることであり、利用者に「また来たい」と思わせる仕掛け作りも大切である。

 そのために、イベントやアトラクションを新設するのも一つの手法ではある。だが、時代の移り変わりとともに求められる社会のニーズの変化を的確に捉え、新しい可能性を探っていく姿勢がなければ、斜陽の始まりとなってしまう。移ろいやすい人の心を扱うビジネスの宿命だ。

 我々に寿命があるように、産業にも「誕生」「成長」「成熟」の期間があり、やがては「衰退」「終焉(しゅうえん)」を迎えてしまう。衰退や終焉を遠ざけるために必要なことは、常に「今」を疑い、変革を求めることである。

プロフィル
白土 健(しらど・たけし)
 大正大学人間学部教授。1959年、東京都生まれ。明治大学政治経済学部卒、多摩大学大学院経営情報学研究科修了。育英短期大学、松蔭女子大学教授などを経て現職。著書(共著)に「なぜ、子どもたちは遊園地に行かなくなったのか?」(創成社)、「こども文化・ビジネスを学ぶ」「観光を学ぶ」(共に八千代出版)ほか多数。

『なぜ,子どもたちは遊園地に行かなくなったのか?』(創成社新書)
『なぜ,子どもたちは遊園地に行かなくなったのか?』(創成社新書)

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40988 0 深読み 2018/08/26 05:20:00 2019/01/22 16:13:37 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180823-OYT8I50034-T.jpg?type=thumbnail

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