夏休み明け「死にたい」子どもを自殺から救うには

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どうすれば気づけるか?

(画像はイメージ)
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 前述のように、子どもにとって「所属(先)」となる学校を否定するような言動は大変重いと考えるべきです。子どもが「学校に行きたくない」と打ち明けたら、それは、相当つらい状況にあるというサインです。

 自殺を考えるほどつらい状態に陥っていれば、子どもの表情や言動が乏しくなる傾向が見受けられます。普段と比べ、口数が減っていないか、表情が暗くないか、よく観察する必要があります。問いかけても反応が鈍いといった特徴もあります。

 夏休み中の子どもが、宿題をする努力をしないという態度もサインの一つと考えられます。本来、重要であるはずの学校という「所属(先)」に対し、ジレンマを抱えているのです。

 では、こうした子どもたちのSOSに気づいたらどうすればいいでしょうか?

 まず、落ち着ける静かな場所で、「つらそうだけど、どうしたの?」とオープンクエスチョンで尋ねます。相手が自由に答えられる質問をすることで、話を広げやすくなります。

 ところが、「言いたくない」「別に……」といった反応しかないかもしれません。ここで、そっけない態度だからといって、あきらめないことです。

 「つらそうだから、心配しているんだ」という言葉を繰り返し、何度も「心配している」ということを伝えることが大切です。

あなたが「信じられるだれか」に

 自殺をするときは、「だれ一人信じられない」という心理状態に陥っています。

 逆に言えば、信頼できるだれかが一人でもいれば、踏みとどまる可能性が高くなります。子どもたちが死の(ふち)に立っていると気づいたときは、「信じられるだれか」になることが大切です。そのためには、「あなたを心配している」ということを繰り返し伝えることが効果的です。

 私が診ている患者の中には、こんなケースがあります。

 「食堂のおばさんが声をかけてくれるので毎日なんとか生きている」

 「ペットのオウムが心配なので死なずにいる」

 「1か月に1回の受診が生きる糧になっている」

 こうした患者の言葉を聞くと、だれかに、あるいは、何かにつながっているということが、自殺を防ぐ上で重要なんだと改めて感じます。

 だから、異変に気づいた身近な家族、教師、友達は、「ゲートキーパー」(命の門番)となることが必要です。途方に暮れている子どもは、「今まで気持ちを聞いてもらったことなんてない」と思い込んでいるケースも多いので、まず、「大変だったね」と話を聞きます。じっくりと耳を傾けることが、ゲートキーパーとなる第一歩です。

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