ノートが日産悲願の「年間販売1位」になる意味

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日産悲願の「年間1位」なるか

ノートは雪道にも強い4WD追加で販売のてこ入れなるか
ノートは雪道にも強い4WD追加で販売のてこ入れなるか

 商品を売る努力にも目を向けたい。上半期1位というノートの販売実績を支えたのは、商品力だけでなく、全国約2100店のディーラーの奮闘にもよるだろう。この店舗数は、トヨタ全系列の約4600店の半分以下にすぎない。

 トヨタは、販売店系列によって販売される新車は異なるが、販売台数上位のアクアやプリウスといったHVは、すべての販売店で扱われている。つまり、ノートの好成績は、消費者の評価とともに、トヨタの半分以下という販売店数を補う営業努力の賜物と言える。

 とはいえ、18年上半期の各月の販売推移を改めて見てみると、4月以降はアクアが各月で首位をキープ、プリウスが2~3位を堅持し、ノートと接戦状態にある。

 厳しい戦いを強いられるノートにとって、新たな戦力と期待されるのがエンジン車とe‐Power、それぞれに追加されたモーター駆動による四輪駆動車だ。前輪駆動のノートの後輪にモーターを追加し4WDを実現した方式である。この四輪駆動化は、トヨタのプリウスも現行の4世代目で採用している。

モーターによる「四輪駆動」の利点

 モーターによる四駆化の利点は、車体前方の動力源(エンジンやモーター)から後輪へ駆動力を伝えるトランスファーやプロペラシャフトといった機構が必要なく、後輪側へモーターを取り付け、あとは配線と制御を加えるだけで実現できるところにある。重量の増加を抑えられる上、モーターを電気で制御するので緻密な駆動力調整ができる。

 スタッドレスタイヤの性能向上などのおかげで、四駆でなくても問題ないと考える降雪地域のドライバーも少なくない。とはいえ、坂道の多い地域や、急勾配の陸橋などでは四駆であることが、より確実に安定した走りを支えてくれる。

 そうした要望に、ノートの四輪駆動車はエンジン車が170万円台から、e‐Powerは220万円台からの車両本体価格で手に入れることができる。これに対し、アクアには四駆がなく、プリウスの場合は260万円台から上の価格設定となる。

 ノートが年間を通じて登録車販売台数で1位を獲得できるかどうかは、単に燃費性能だけでなく、モーター走行を生かした運転支援機能の充実や、四輪駆動車の品揃えなど、トヨタ勢にない独自の商品性をいかに消費者に浸透できるかにかかっているのではないか。

 常にトヨタ車の後塵(こうじん)を拝してきた日産にとって悲願の年間販売台数「1位」。あのブルーバードもサニーもマーチも成しえなかった偉業を、e‐POWERという武器を持つノートが果たす意味は大きい。

 

プロフィル
御堀 直嗣(みほり・なおつぐ)
 1955年、東京都生まれ。玉川大工学部卒。大学卒業後はレースでも活躍し、その後、フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。新著に「スバルデザイン」(三樹書房)がある。

『スバルデザイン』(三樹書房)
『スバルデザイン』(三樹書房)

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41709 0 深読み 2018/09/16 08:23:00 2019/01/22 16:13:19 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180913-OYT8I50053-T.jpg?type=thumbnail

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