海外で嫌われる…日本発の“外来種”

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生物を介して広がる「日本発」の病原菌

カエルツボカビの推定分布拡大プロセス(国立環境研究所提供)。日本由来のGPL(Global Pandemic Lineage)系統が世界中に拡散しているとみられる
カエルツボカビの推定分布拡大プロセス(国立環境研究所提供)。日本由来のGPL(Global Pandemic Lineage)系統が世界中に拡散しているとみられる

 1990年代から世界中で両生類の皮膚にだけ寄生するカエルツボカビと呼ばれる病原菌が流行しており、各地で希少両生類が絶滅の危機に陥っているとされます。2006年に日本国内でも、ペットとして飼育されていた南米産ベルツノガエルへの感染が確認され、カエルツボカビが日本に上陸したことで日本の両生類が絶滅するのではないかと危惧されました。

 しかし、筆者ら研究チームが調査した結果、この病原菌の起源が実は日本にあり、菌と長きにわたって互いに影響しながら進化するという「共進化」の結果、ツボカビ菌に対して日本の両生類は抵抗性を身につけていることが示されました。

 日本から食用のウシガエルやペット用のイモリ類が輸出されたことで、菌が海外に持ち出され、抵抗性のない海外の両生類の間でパンデミック(世界的大流行)が引き起こされたものと考えられています。

受粉で活躍するはずが…花粉以外も運んだマルハナバチ

セイヨウオオマルハナバチ(国立環境研究所提供)
セイヨウオオマルハナバチ(国立環境研究所提供)
マルハナバチの体内に寄生するマルハナバチポリプダニ。矢印がダニのメスの成虫で、周囲の球体の塊はメスが産んだ卵(国立環境研究所提供)
マルハナバチの体内に寄生するマルハナバチポリプダニ。矢印がダニのメスの成虫で、周囲の球体の塊はメスが産んだ卵(国立環境研究所提供)

 1980年代にヨーロッパ産のセイヨウオオマルハナバチというハナバチが、ハウス栽培トマトの花粉を媒介する農業資材として開発されて以降、オランダやベルギーの工場で大量生産された人工の巣が世界中に流通し、日本も92年から農業用に導入を開始しました。ところが、ハウスから逃げ出した個体が野生化し、北海道を中心に分布拡大を続けています。

 セイヨウオオマルハナバチは営巣場所をめぐる競争で、日本在来のマルハナバチを駆逐するとともに、体内寄生の外来ダニを持ち込んで在来マルハナバチにも水平感染させることが明らかとなり、外来生物法の規制対象種である「特定外来生物」に指定されました。

 そこで、代わりの昆虫として日本のマルハナバチを利用することが提案され、多数の日本産マルハナバチの野生女王蜂が日本用の人工コロニー生産のためにヨーロッパの生産工場へと輸出されました。すると、この日本産女王蜂に日本のダニが寄生していたため、ヨーロッパのマルハナバチ生産工場内に日本のダニが持ち込まれて(まん)(えん)するという事態が起きました。

 

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45370 0 深読み 2018/10/08 07:00:00 2019/02/12 16:06:20 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181003-OYT8I50065-T.jpg?type=thumbnail

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