ハワイ噴火…戻った平穏、残った爪痕

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火事場泥棒に発砲騒動も

 街全体が混乱していたのも噴火直後の5月下旬頃だった。

 レイラニ・エステーツ周辺で、住人が避難している間に住宅に侵入し、金品を奪う「火事場泥棒」が頻発。さらには、緊迫している住人たちによる言い争いなどの近隣トラブルや、住人の発砲騒ぎなど物騒な事件が立て続けに起こっていた。

 観光客らによる問題も起こった。溶岩流を近くで見ようとする観光客や地域外の住人による、立ち入り禁止地区への不法侵入だ。警察は当初、侵入者を厳重注意するだけで済ませていたが、数があまりにも多いため、州法を緊急で改正し罰則を強化。違反者は逮捕されることになった。

 避難区域に住む住民に対しても、行政は強い態度で臨んだ。避難指示に従わずに区域内に滞在することを選択した住民に対し、救助が必要な状況に陥っても「助けることはない」と、ハワイ郡長のハリー・キム氏が厳しい姿勢を示したのだ。このような経緯もあり、街全体が殺伐とした空気に覆われていた。

ボランティアが報道を「代替」

レイラニ・エステーツ付近の亀裂から噴き出す溶岩(7月)=筆者撮影
レイラニ・エステーツ付近の亀裂から噴き出す溶岩(7月)=筆者撮影

 一方、被害をあまり受けなかった地元の有志たちが早々に立ち上がり、被災住民らを助けるなどボランティア精神を発揮した。

 彼らは、最初の亀裂が発生した数日後には、レイラニ・エステーツ付近に被災者支援の拠点を立ち上げた。ここでは、一時避難所としての機能だけでなく、寄付金や救援物資の受け付けや炊き出し、災害に関する情報提供などを行った。

 「プウホヌア・オ・プナ(プナの駆け込み寺)」と名付けられたこの拠点の代表、イカイカ・マーゾ氏は、プナ地区で生まれ育ち、地元でツアーガイドとして働く「プナの達人」とも言える人物だ。

 そんなマーゾ氏の知識と経験、地元での人脈は被災地と被災者、そして地元の住民たちにとって有益だった。特に、マーゾ氏が個人のSNSで日々発信する溶岩流などに関する動画の情報は、どこよりも早く確実だと地元で評判を呼び、事実上、現地の報道機関の役割を果たした。

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45254 0 深読み 2018/10/10 07:00:00 2018/10/10 07:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181009-OYT8I50012-T.jpg?type=thumbnail

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