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一帯一路で急接近、日本人が知るべき中国の思惑

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 日中平和友好条約発効40周年の今年、中国の日本に対する柔軟姿勢が目立つ。今月25日には安倍首相が北京を公式訪問し、翌日、習近平・国家主席らと会談する予定だ。中国に向き合っていく上で、欠かすことのできない視点は何か。元海上自衛隊司令官で、安全保障問題が専門の香田洋二さんが解説する。

失速する巨大経済圏構想

中国海南省で開かれたボーアオ・アジアフォーラムで演説する習近平国家主席。「一帯一路」などによる中国主導の新国際秩序作りの推進へ意欲を示した(今年4月)
中国海南省で開かれたボーアオ・アジアフォーラムで演説する習近平国家主席。「一帯一路」などによる中国主導の新国際秩序作りの推進へ意欲を示した(今年4月)

 中国の巨大経済圏構想「一帯一路」における多数の途上国のインフラ整備計画のいくつかが挫折し、一部の参加国は中国に疑念を持ち始めるとともに、対中債務に起因する自国社会・経済の崩壊が現実のものとなってきた。一帯一路構想は、中国主導の国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)とセットで中国の国家威信をかけて推進されてきたが、この5年の経緯を振り返れば、参加国、周辺国そして国際社会に不安と混乱をもたらした面が強い。

 ジャーナリストの福島香織氏が論評しているように、中国にとって本構想は、(1)先進諸国からの新植民地主義との非難、(2)途上国からの悪徳金融業者に例えられる遺恨、そして、(3)中国の銀行や企業の利益回収の見込みがない投資の継続と債務不履行の恐怖、という三重苦の提供元、本音は「厄介者」になりつつあると推察される。

カンボジア南西部の空港建設予定地に立てられた巨大な看板。「一帯一路」の漢字表記もある(今年8月)
カンボジア南西部の空港建設予定地に立てられた巨大な看板。「一帯一路」の漢字表記もある(今年8月)

 中国指導層も「現下の好ましくない事案の連鎖反応」は承知していると考えられるが、昨年秋に一帯一路構想を党規約にまで盛り込んだ中国共産党と習近平国家主席(党総書記)が、自らの威信を犠牲にしてまで、現在の路線を変更する公算は皆無と言える。その上、現在の米国との厳しい経済と貿易の対立は解決策さえ見いだせないことも影響し、中国経済の将来に暗雲が漂い始めたことは明白である。オウンゴールとも言える一帯一路構想の失速と、米中の厳しい経済対立がもたらす中国経済へのストレスは、中国を抜き差しならない窮地に陥れさせ始めている。最悪の場合、トランプ米政権は、中国経済を再起不能になるまで追い詰める公算さえ否定できない現状である。

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45468 0 深読み 2018/10/22 07:00:00 2018/10/22 07:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181019-OYT8I50008-T.jpg?type=thumbnail

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