「業界猛反対」のウーバーが活躍する小さな街

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改善を阻む高い壁

写真はイメージです
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 この「ささえ合い交通」。旧丹後町地域から京丹後市内のほかの地域へは行けるが、地域外から地域内に戻る際に利用することはできない。

 タクシー会社の「営業区域」と同様の規制がかかっている状況だ。これが、お年寄りらが利用する上での大きな「障壁」となっている。

 地域外の病院に行こうにも、行きは「ささえ合い交通」を使えるのに、帰りは使えない。利用するお年寄りらからは「『足』として使うために、地域外との往復運行を可能にしてほしい」との声が上がっているという。

 ニーズがあるのになぜ往復運行ができないのか。

 理由は、旧丹後町地域以外では、現に規制を受けているタクシー会社が存在する場所もある。このため、NPO法人自体が「民間団体」であるにもかかわらず、タクシー会社などの「民業圧迫」になるといった抵抗で、地域の合意形成を図るための「運営協議会」で検討さえされないという。

 道路運送法の施行規則などで、料金設定、旅客の対象者の拡大、活動区域の拡張などのサービスの主要な案件はすべて地域の運営協議会の了承を経なければならないことになっている。

 この協議会には、タクシー業界も参加している。運営協議会の基本的なメンバー構成は道路運送法の施行規則などに定められており、事実上、新規参入や事業拡大を妨げているのだ。

 既存の業界団体が「了解」しない限り、新規参入や新興企業・団体の事業の拡大もできない。お年寄りの「足」となるため必須な「往復運行」ではあるが、関係者によると「(施行規則などが変わらない限り)現時点でほとんど実現可能性はない」という。

「観光活性化」のチャンス?でも壁

 外国人を中心とした観光客の呼び込みにもこの仕組みは活用できる。外国人観光客はウーバーのアプリを使い慣れているケースが多い。使えるとなれば、観光活性化の起爆剤にもなり得ると筆者は考えている。

 しかし、残念なことに、旧丹後町地域には鉄道の駅がない。このため、何らかの手段を使って観光客が旧丹後町地域に入らなければ、「ささえ合い交通」は使えない。

 利用者のニーズに応じるだけでなく、地域に観光客を呼び込むため、せめて最寄り駅(例えば、JR峰山駅)などからの利用に限り、「ささえ合い交通」の運営を認めるべきだと筆者は思った。しかし、ここにも運営協議会の存在が立ちはだかる。

 運営協議会は過疎化・高齢化が進む地域の「公共交通」のあり方を真剣に考える場にしなければならない。現在の枠組みでは、既存団体の利害が過剰に尊重されかねない。

 

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48355 0 深読み 2018/10/26 07:00:00 2018/10/26 07:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181025-OYT8I50004-T.jpg?type=thumbnail

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