「業界猛反対」のウーバーが活躍する小さな街

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旧態依然とした業界……

写真はイメージです
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 旧丹後町地域以外でも、12年に旧久美浜町地域、13年に旧網野町地域のタクシー会社が不採算からいったん撤退した。

 しかし、「ささえ合い交通」が成功。タクシー業界はウーバーなどを使った格安のサービスがこれらの地域に普及するのを恐れたようで、驚くべきことに、あるタクシー会社が、16年4月に旧網野町地域、翌5月に旧久美浜町地域に“再進出”したという。

 タクシーも住民の利便性を高めるのは事実だ。しかし、新規参入を阻むために再進出するような業界に、顧客本位のサービス改善ができるのか。疑問に感じざるを得ない。

 他の地域でも「運営協議会」があり、構成メンバーもほとんど同じだ。今のままではウーバーのようなアプリを使ったサービスは広がりにくいと言わざるを得ないだろう。

公共交通の未来は?

 現状では、公共交通機関が充実している都市部では、「公共交通空白地有償運送」は適用されない。多くのタクシー会社があり、ウーバーなどの「ライドシェア」と利害がぶつかり合うためだ。

 現在のような枠組みでは、革新的な企業の新規参入を妨げ、タクシー会社など既存事業者が「お客本位」という言葉を忘れ、「ぬるま湯」に浸かり続けてしまう恐れがある。

 東京のタクシー業界では、外国人観光客が増加する今後をにらみ、初乗り運賃で乗れる距離を短縮する代わりに、従来の半額近い410円に引き下げるなどの改革に乗り出している。タクシー業界は変化すべき時にさしかかっているのだ。

 配車アプリの導入など、様々な改革に矢継ぎ早に取り組み、多額の負債を解消した「日本交通」(東京)のように、「顧客本位」へと変化している企業もある。

 常に変化しないと、自動運転などが普及し、ライドシェアが当たり前になった時、対応できずに自らの首を絞めかねない。技術の進歩は日進月歩だ。そんな時代がいつか訪れるかもしれない。

 

プロフィル
中村 吉明(なかむら・よしあき)
 1987年、早稲田大学大学院修了、通商産業省(現・経済産業省)入省。環境指導室長、立地環境整備課長、産業技術総合研究所企画副本部長などを経て、現職。米スタンフォード大学大学院修士課程、東京工業大学大学院博士課程修了。専門は産業政策論、産業論。近著に「AIが変えるクルマの未来-自動車産業への警鐘と期待」(NTT出版)がある。

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