「今日の夕食どうしよう?」問題が解決しない理由

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

働く免罪符として、手料理を作る

(画像はイメージ)
(画像はイメージ)

 本来なら忙しく働く女性こそ料理の外部サービスを利用すべきですが、現実問題ではあまり受け入れられていないようです。

 

 「仕事をしている代わりに、夕飯は毎日きちんと作ってあげたい」(30代女性、百貨店勤務)

 「働いていることを、料理ができない理由にしたくない」(40代女性、金融業)

 

 経済的な理由もあるでしょうが、このように家事(特に料理)をおろそかにしないということが、働くことの“免罪符”になっている現実があります。働いていることを言い訳に、食卓を出来合いの惣菜だらけにしたくないという思いが、仕事で疲れた女性たちを台所に向かわせます。

 「作りおき」や「冷凍保存」ができるレシピがもてはやされているのも、子どもを持つ母親の愛情を「ストック」しておく方法の一つと考えればうなずけます。

 そもそも、ハンバーグ、カレーライス、コロッケといった「家庭料理」とされる献立は、タネを寝かせたり、長時間炒めたり、手間暇をかける「専業主婦の家庭料理」です。割安で便利なスーパーやコンビニの総菜が存在しないころ、食べたいものは調理するしか術がない時代でした。

 でも今は違います。作り手は共働き主婦となって、食べたいものは容易に手に入る時代に変わりました。これからは「働く主婦時代の家庭料理」を再定義することが求められているのではないでしょうか。

 「働くことの免罪符」「時代にミスマッチな家庭料理」という状況が、「今日の夕食どうしよう」問題の背景にある限り、主婦の悩みは簡単に解消しないかもしれません。

何を食べるかではなく、誰と食べるか

(画像はイメージ)
(画像はイメージ)

 家庭を取り巻く環境や料理の作り手が変われば、食卓に並ぶ献立も変わるはずです。

 「専業主婦全盛期時代の料理」に固執するあまり、もっと大切な視点がなおざりになっているかもしれません。

 それは「何を食べるかではなく、誰と食べるか」です。そこに意識を向ければ、過剰な「料理コンプレックス」から解放されるでしょう。

 夜遅くに帰宅し、それからレシピサイトであれこれ検索するのに時間をかけたり、冷蔵庫の前で頭を抱えたりするくらいなら、出来合いの料理を電子レンジでチンして済ませれば、家族の会話の時間を確保できるようになります。

 食卓を囲む中心にある「家庭料理」が、だれかの罪悪感の素になったり、頭を悩ませる元凶となったりするのは、本末転倒という気がします。

 時代に合った家庭料理の進化が求められています。そして、新しい家庭料理を模索する動きが、料理本にも表れ始めています。

 

プロフィル
渥美 まいこ(あつみ・まいこ)
 フードプランナー、家庭料理ジャーナリスト。大手レシピサイトに勤務する傍ら、食品や食のトレンドに関する執筆活動をしている。「なぜ、女性はエスニック料理が好きなのか?」などのセオリーに切り込むブログが人気。ツイッターは こちら

1

2

3

4

無断転載禁止
48991 0 深読み 2018/11/13 07:00:00 2018/11/13 07:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181112-OYT8I50031-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

一緒に読もう新聞コンクール

新着クーポン

NEW
参考画像
800円650円
NEW
参考画像
ご宿泊のお客様にコーヒー1杯サービス
NEW
参考画像
2000円1800円
NEW
参考画像
1100円550円
NEW
参考画像
790円720円

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
The Japan News
発言小町
OTEKOMACHI
ささっとー
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
挑むKANSAI
読売新聞社からのお知らせ