ゴミ屋敷の清掃現場に見る「多頭飼育崩壊」の真実

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多頭飼育から逃げる飼い主たち

写真はイメージです
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 2016年に環境省が全国115の自治体を対象に行った調査によると、ペットの多頭飼育に関する苦情は計2200件に上りました。

 このうち「10匹以上の飼育(に対する苦情)」が約30%。「50匹以上の飼育(同)」は100件を超えており、全国的にもかなり深刻な問題になっていることがわかります。

 増えすぎて手に負えなくなった飼い主が、何匹もの犬や猫を放置したり、置き去りにしたりし、周囲に悪臭が広がって近所の住民から通報され発覚。保護団体などが救済するケースが多いのが実情です。

お金があるのに、なぜ崩壊?

 ただ、望月さんの会社が特殊清掃を担当した二つのケースは、多頭飼育崩壊には違いないものの、飼育費用が払いきれなくなって起こった、というわけではありません。

 劣悪な環境の中に猫たちを置き去りにはしていたものの、飼い主が定期的に足を運び、水とエサをしっかり与えていました。さらに、猫たちのための賃貸住宅と、新たな住居の両方の費用を払える余裕もあった上に、賃貸住宅の契約解除をする前に自ら特殊清掃業者に依頼をして、高額な清掃代も支払っているのです。

 これらの例では、なぜ猫たちを置き去りにし、最終的に捨ててしまったのでしょうか。

 望月さんの証言などから、筆者は以下のような経緯をたどって「崩壊」に及んだのではないかと考えています。

 

 (1)知識がないまま安易に飼い始め、避妊などもしなかったため数がどんどん増えた。

 (2)増え過ぎて、「多頭飼育」状態に。世話をしきれず、掃除なども手に負えなくなった。

 (3)解決策を見つけられぬまま、家族の生活にも支障が。その環境から逃げ出さざるを得なくなった。

 (4)再び飼う気も起きず、最終的に捨ててしまった。

 

 軽い気持ちから飼い始めたものの、想像していた「かわいいペットとの幸せな暮らし」とはかけ離れたものになり、結果的に路頭に迷わせてしまう……飼い主の無責任さが露呈したと言わざるを得ないと思います。

 特に、特殊清掃の現場からは、こうした多頭飼育崩壊の経緯が、ペットが捨てられる寸前まで第三者には気づかれにくく、とにかく実態が見えにくいという問題点が浮かび上がります。

 

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50494 0 深読み 2018/11/17 07:00:00 2018/11/17 07:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181115-OYT8I50006-T.jpg?type=thumbnail

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