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「きっぷ販売権」の一元化は無理か

利用者の利便性が高まり、JR各社間の収入も公平に分配されるアイデアを考えました。JRきっぷの販売権を、別の組織にゆだねるのです。
根拠はあります。例えば東京周辺の駅では、近距離を移動する人は大半がスイカなどICカード乗車券を使うようになり、発券作業は、新幹線などの長距離きっぷと、通学定期券などにほぼ限られてきました。定期券や長距離きっぷを発券するのは、基本的に「マルス」と呼ばれるJR発券端末を持つ旅行会社や「みどりの窓口」、そしてマルスの券売機版である指定席券売機。そして、これらを一手に管理するのがJRシステムなのです。
そこで、JRきっぷの販売権を、先ほど挙げたJRシステムに集中させるのです。JRシステムは、旧国鉄のマルスシステム管理部門を独立させた会社で対等な立場にあります。
最近のJR駅では、発券窓口を廃止したり、駅業務を委託して早朝は無人にしたりする動きが相次いでいます。地元の旅行会社やコンビニなどに駅構内に入居してもらい、きっぷを売る業務を委託する。そうすれば旅客サービスの水準は保たれ、JR業務も省力化され、地域経済への貢献にもなるはずです。
東京五輪・パラリンピックを2年後に控えた今、利用者本位の発券システムが望まれます。
プロフィル
中尾 一樹(
なかお・かずき
)
1966年生まれ。総合旅行業務取扱管理者。旅行会社トラベルプランニングオフィス代表。鉄道を使った団体列車の企画などを手がけてきた。著書に「新幹線マニアの基礎知識」(共著)、「青春18きっぷ完全攻略ガイド」(ともにイカロス出版)など。