崖っぷち「東京ウォーカー」は刷新で再起可能か?

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あまり読まれていない現実

 私は10月のリニューアルに向け、今年7月から編集長に就任した。

 まず、読者の実態を知りたいと考えた。周囲に声をかけ、だれが東京ウォーカーを読んでいるのかを調べた。そして、驚くほど、だれも読んでいない現実にぶち当たった。

 「東京ウォーカーってまだあったの?」「もう廃刊したのかと思った」という残念な声も多かった。

 書店にも出かけ、雑誌売り場を見に行った。東京ウォーカーはなかなか見つからなかった。2万部弱という販売部数では、小さな書店やコンビニエンスストアに並ばないことも珍しくない。

 さまざまな情報がインターネットで手軽に得られるのと比べれば、雑誌を購入するというのは非常にハードルが高い。何かのついでに書店やコンビニに立ち寄ってみる。雑誌の棚を見渡してみる。興味を引く雑誌に目が止まる。手にとってパラパラとめくる。そして、値段を見て購入しようかどうしようか考える。気になる雑誌があっても、近くに書店がなかったり、書店に出かけてもそこにお目当ての雑誌がなかったりすれば、購入意欲は一気に冷める。

 読者のこうした購買行動を考えれば、「雑誌離れ」は仕方がない一面もある。

 ただ、一方で、ウェブではできないことに挑戦したいという思いもある。東京ウォーカーはKADOKAWAにとって看板雑誌でもあるし、出版業界の中でも象徴的な雑誌の一つと言える。もし、東京ウォーカーが休刊なんてことになれば、業界の衝撃は大きい。むしろ、崖っぷちだった東京ウォーカーが元気になったという状況になれば、雑誌全体の活力にもなりえる。

「東京は、一人でも楽しい。」

リニューアルした東京ウォーカーは〈住まい〉の情報も盛り込む
リニューアルした東京ウォーカーは〈住まい〉の情報も盛り込む

 東京ウォーカーのリニューアルに向け、編集長を含む編集部のメンバーを総入れ替えした。部員の平均年齢は31歳。大幅に若返りを図った。

 雑誌の新たなコンセプトを「東京は、一人でも楽しい」とし、ターゲットを東京在住のシングル男女とした。これまで40~50代が中心だった読者層を、30代まで広げていきたいと考えた。

 そして、〈1〉グルメ〈2〉おでかけ〈3〉住まい〈4〉お金〈5〉コミックエッセーの五つを柱にすえることにした。グルメやおでかけ情報は、これまでの東京ウォーカーが得意とする分野を踏襲。住まい、お金、コミックエッセーは新たな取り組みだ。

 リニューアル号では、「東京1R(ワンルーム)ライフな人たち」という特集で、都内でワンルームに暮らす人々を紹介。3畳の狭小マンション生活、観葉植物を使った模様替え、賢い収納方法、ペットのいる暮らし方など、リアルな東京ライフを意識している。

 東京でシングルライフを謳歌する若者のお金事情にも迫った。手取り収入、家賃、食費、光熱費、交際費などを明らかにした上で、専門家が節約や貯金方法を指南する。

 港区や渋谷区の高級マンションで週末ごとにホームパーティーを開いたり、高級バーでグラスを傾けたりといったキラキラした特集を組む雑誌もあるが、東京ウォーカーはもっと現実路線で、都内でシングルライフを送る人たちを応援する考えだ。

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