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優先順位をつけて選ぶ
より良い動物病院を選ぶためには、飼い主の希望、ペットの性格や病状を基準にすることが大切だ。
飼い主の希望から選ぶ場合、希望する項目を挙げて優先順位をつけ、上位に当てはまる動物病院を探すとよいだろう。たとえば自宅からの距離を優先すると1次診療しかない場合、専門的な診療科を設けている1.5次や2次診療への紹介が可能な動物病院を選ぶのも一つの方法だ。

ペットの性格や病状で選ぶ場合は、〈1〉自宅から出られるか〈2〉診察室に入れるか(獣医師や動物病院におびえないか)〈3〉飼い主以外にも体を触らせるか〈4〉外出や移動がペットの負担にならないか〈5〉病状の程度――といった基準から判断する。通院に強いストレスを感じるペットの場合、高度医療よりも往診診療を選んだほうが結果的にはQOL(生活の質)の向上につながることもある。
筆者の飼っていた愛犬は晩年に慢性腎不全と胆管肝炎を発症した。高度医療を選択したが、やがて肝臓がんになり宣告された余命よりも早く死んでしまった。手術や通院のストレスで心身に負担をかけてしまったのかもしれないと思うことがある。
実は生後6か月頃に動物病院で耳掃除をされたことがきっかけで通院に強いストレスを感じるようになっていたのだ。院内でオヤツを食べさせるなどストレスを和らげるような楽しい経験を積ませたが、手術の検査のたびにストレスが募り、動物病院への印象は一進一退どころか一進三退のような状況だった。
その経験から、昨年迎えた2代目の愛犬は動物病院を好きにさせることを最優先にした。スタッフが親しみやすく待合室で遊んでくれたり、散歩の途中で用がなくても気軽に立ち寄れたりといったことをポイントに、ストレスをなるべく感じないような楽しい雰囲気の動物病院を選んだ。この病院では、将来の高度医療に備えて2次診療病院への紹介が可能であることも決め手の一つとなった。
飼い主のクチコミを参考に動物病院を決める方法もあるが、実際にかかってみたら、自分とペットに合わない可能性も少なくない。月並みだが、自分で確認し、判断することが大切だ。そのためには労をいとわず足を運び、情報収集する必要がある。