増えるDV…なぜ妻や彼女を殴ってしまうのか?

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

関係性に巣くう「不穏なもの」

(画像はイメージ)
(画像はイメージ)

 確かに、DV被害者から話を聞くと、加害者の言動に共通する例が散見される。

 「自分のものを買うときにいつも一緒に付いてくる。『僕の好みの女性になってほしい』と言う。自分が自分でなくなっていく感じがする」
 「交通の便の良くないところに住んでいるので免許が欲しい。必要なのに、免許を取るのを許してくれない。『運転が下手だから』って言う。だから、いつも彼の車で行動することになる」
 「『習い事をしている』と言うと、『それは男性から教わるのか』って聞いてくる」

「『同窓会に行く』と言うと、イヤな顔をする」
 「DVを受けているのに、なんだか彼といる方が安全だと思うような意識になったことがある。実家に逃げていると追いかけてきたり、メールが頻繁に入ったりするので結局一緒にいることで落ち着く」
 「『今日は何をしていたのか』と聞いてくる」
 「『死んでやる』と言われると別れられない。元の関係に戻ることが多い」
 「授業の前に携帯メールがあった。『講義が休講になったのでこれから会いたい』と。自分はこれから講義があるけれど、そうしないと愛情が薄いと非難されそうで怖い」
 このような被害者の声を聞いていると、親密な間柄で、愛情の名の下にコントロールされている様子がうかがえる。これらが直ちに「暴力」だというわけではないが、関係性に巣くう「不穏なもの」がある。

被害者に落ち度があるという意識

 DVや虐待で加害者側の説明には特徴がある。
 「俺をバカにしているのか」
 「暴力はコミュニケーションである」
 「俺は正義である」
 「アルコールが入っていて頭が真っ白になっていた」
 「ささいなことだった」
 「相手が俺を怒らせる」
 「愛情の証しとしての暴力だ」
 これまで私が対話してきた加害男性の多くは、実際にこのような言い方をする。

 これは、「被害―加害関係のねじれ」と言えるだろう。被害者にも落ち度があるという意識を加害者が持っている。時には、暴力を誘発したのは被害者であるという意識が加害者にある。被害者非難である。

 いずれも身勝手な言い分であるが、性暴力、性的虐待、セクシャルハラスメント、パワーハラスメントの加害者が暴力を正当化する理由として用いる。この心理的背景には、暴力を通して得られる満足感や達成感があり、征服欲も満たされる。

1

2

3

4

5

無断転載禁止
52614 0 深読み 2018/12/04 05:55:00 2018/12/04 05:55:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181129-OYT8I50071-T.jpg?type=thumbnail

おすすめ記事

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ