増えるDV…なぜ妻や彼女を殴ってしまうのか?

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「自らが正しい」という認識

(画像はイメージ)
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 前述したように自らの暴力を性欲やアルコールのせいにする男性も多い。“欲望機械”として、あたかも自動的な反応をしているかのようである。

 そして、こうした加害者には、原因を他人や環境に求める他罰性の意識が強い。つまり、「自らが正しい」という認識である。被害者に問題があるので懲らしめているだけと言う。親密な関係性であることから他者であることの認識が弱く、一体的な感覚を相手に向けている。

 非対称関係性に根ざして暴力が発現するこうした特徴を、私はスタークのとらえ方を参考にして「関係コントロール型暴力」として把握するようにしている。

 コントロールされるのは被害者の意識と心理である。ねじれの結果、被害者は「関係を続けることが安全だ」という倒錯した意識状態に陥ることもある。これは加害者の視点の内面化・同一化という一種の生き残り戦略である。

 加害者は、被害者の自責の念を利用してコントロールする。

 被害者は自己非難や自尊心の低下を招く。経済的な生活を加害者に依存していれば、ますます関係性は固定していく。

被害者は悪くない

 もちろん被害者は悪くない。

 DVや虐待など、親密な関係性における暴力から被害者を保護して救済する方法がある。地方裁判所から「近寄ってはいけない」という「保護命令」を出してもらうことができる。加害者がそれを無視して接近すれば刑事罰を科せられる。

 配偶者からの暴力などについて相談できる「配偶者暴力相談センター」やその機能を有する機関が全国に282か所(2018年10月1日現在)ある。相談やカウンセリングのほか、被害者(子どもなどの同伴者を含む)の安全の確保、一時保護、日常生活の支援、さらには就労支援にもつなげることがある。

 被害は、身体的な暴力だけではなく、暴言や無視などもある。また、女性が妊娠しているケースにもDVがあり、母体保護の観点から、迷わず支援を求めるべきだと思う。

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52614 0 深読み 2018/12/04 05:55:00 2018/12/04 05:55:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181129-OYT8I50071-T.jpg?type=thumbnail

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