長距離界席巻…ナイキ厚底は“魔法のシューズ”か

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速さの秘密はプレートにあり

今年2月の東京マラソンで、2時間6分11秒の成績で2位に入った設楽悠太。2002年に高岡寿成が出した日本記録を16年ぶりに更新した(現在の日本記録保持者は大迫)
今年2月の東京マラソンで、2時間6分11秒の成績で2位に入った設楽悠太。2002年に高岡寿成が出した日本記録を16年ぶりに更新した(現在の日本記録保持者は大迫)

 実は、厚底シューズ自体は少しも珍しくない。ほとんどのメーカーにラインアップがあるほどだ。しかし、それらはジョギング用に作られたモデルだ。具体的にいうと、体重が重めの人や、フルマラソンを5~6時間台で走る人たちに適したもので、クッション性は高いものの、「速く走る」ための仕掛けはない。

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 「ズーム ヴェイパーフライ 4%」は、同じ厚底でも「クッション性」と「速さ」の両方を兼ね備えている。ソールは最も厚い部分で約4センチ。スプーン状のカーボンファイバー製プレートを、航空宇宙産業で用いられる軽くて柔らかい特殊素材ではさむ3層構造になっている。

 速さの秘密は、このカーボンファイバー製プレートにある。シューズを横から見ると、爪先がかなりせり上がっていることがわかる。これを履いて重心を前へ傾けることで、前足部がググッと屈曲して、元のかたちに戻る時に、グンッと前に進む。

 カーボンは短距離のスパイクにも使われている素材である。短距離のスパイクは地面からの反発力をスピードに変えるためにソールが硬くなっており、これをマラソンシューズに応用したものだ。

ランナーを守る抜群のクッション性

 「ズーム ヴェイパーフライ 4%」の「4%」は、ナイキの代表的レーシングシューズだった「ズームストリーク6」と比べてランニング効率を平均4%高めることを目標に開発されたことから、付けられた名称だ。うまく履きこなすことができると、平らな道であっても緩やかな下り坂を進んでいるような感覚で走ることができる。

 このシューズは「攻め」の機能だけでなく、「守り」も徹底している。ソールに使用されている新素材の「ズームXフォーム」は軽くて、非常に柔らかい。加えて、反発力もある。厚底が4センチあるにもかかわらず、重量はわずか184グラム(28センチ)。実際に持ってみると、その「軽さ」に驚くだろう。

 そして、抜群のクッション性が着地時の衝撃からランナーたちの脚を守っている。キプチョゲ、大迫、設楽らは、「脚へのダメージが少なくなったため、終盤も脚を動かせた」と同じ感想を口にしている。速く走るだけでなく、ダメージを軽減させることで、終盤のスピードアップを可能にしたのだ。

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