「社内官僚がいない会社」が躍進する理由

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時短のはずが…働き方改革、韓国の夢と現実

「働き方改革」はピント外れ?

 政府の進める「働き方改革」は、これまで日本で一般的だった「メンバーシップ型」から「ジョブ型」へ移行させようとする政策誘導の側面がみられる。それを象徴する動きが、「ジョブ型正社員」の雇用ルールの整備と同一労働・同一賃金化の二つである。

 特に同一労働・同一賃金を導入するには、社員一人ひとりの仕事内容が明確に定義されていなくてはならない。日本の企業の多くは非正規社員を事務職、営業職などというようにジョブ型で雇用する一方、正社員は職務限定なしの総合職、すなわち、メンバーシップ型で雇用している。

 異なる雇用システムのままでは横並びに処遇や評価を行うことは難しいため、正社員をジョブ型にシフトせざるを得ないのである。ジョブ型組織が一般的な、世界の企業がティールのような次世代型組織に関心を抱き始めている中で、日本企業だけが「働き方改革」の流れに乗って、躍起になって旧来の「ジョブ型」をめざすのだとしたら、何ともピント外れの対応と言えなくもない。

日本にもある「次世代型」的組織

 実は、次世代型組織に近い企業はすでに日本にもある。日本石材センター(石材専門商社)、ダイヤモンドメディア(不動産フィンテック)、株式会社21(メガネ・コンタクトレンズの小売専門店)の3社は規模も業種も異なるが、いずれも社員に対し、最大限の裁量と権限を付与している。

 また、「社員の主体性と自律性を生かす経営」という意味なら、トヨタのQC(品質管理)サークル活動や京セラのアメーバ経営など、古くから日本企業の中にも取り入れられてきた。

 日本企業では、一般に賃金労働者のことを「雇用者」とは呼ばず、「社員」と呼ぶ。日本特有の働き方である「メンバーシップ型」の由来は、この「会社の一員」⇒「会社のメンバー」から来ている。ちなみにメンバーシップ型の名付け親である独立行政法人労働政策研究・研修機構の所長である濱口桂一郎氏によると、「社員」を英語に訳すと、「株主(メンバー・オブ・カンパニー)」になると言う。つまり、日本の労働者には一定の時間に働いて賃金を得る「賃金労働者」の概念よりも、会社全体の立場に立って行動するニュアンスが含まれているといえるのだ。

 

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