「社内官僚がいない会社」が躍進する理由

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「何が何でも」は間違い…組織に応じた変革を

 その点では、日本に多いメンバーシップ型組織は、ジョブ型組織よりもむしろ、ティール組織に近いと言える。各社員の担う業務内容や役割が柔軟、離職率が低い、一般社員に至るまで「自分が会社を支えている」との意識を持ちやすいなど、共通の特徴を持っている。

時短のはずが…働き方改革、韓国の夢と現実

 トヨタのQCサークル活動や京セラのアメーバ経営のような、社員の自律性を経営に生かす取り組みが、ジョブ型中心の欧米の企業で定着しにくいのもうなずける。そんな中、「働き方改革」の勢いに乗り遅れまいと、何が何でもジョブ型に移行するというのはちょっと待つべきだろう。

 ただし、ティール組織も万能というわけではない。変化の激しい市場環境の中で、社員のモチベーションの高低が企業の生産性に与える影響の大きい知識集約型の産業で、組織の拡大や成長のペースが速い企業にとっては有効な組織形態だ。しかし、ビジネスモデルに大きな変化がなく、製造業、鉄鋼産業、エネルギー産業などの資本集約型の産業で、組織規模の変動が少ない企業は「ジョブ型」が適している。

 自社を取り巻く外部環境や、自社の強みや特徴を踏まえ、より望ましい企業のかたちを考え、変革していくことこそが、次の段階の「働き方改革」なのだろうと思う。

 

プロフィル
奥村 隆一(おくむら・りゅういち)
 三菱総合研究所シニアリサーチプロフェッショナル。早稲田大学大学院修了。1994年4月、三菱総合研究所入社。東京都市大学非常勤講師。プラチナ社会センターに所属し、少子高齢問題、雇用・労働問題、社会保障政策に関わる研究を行う。著書に『仕事が速い人は図で考える』(KADOKAWA)、『図解 人口減少経済早わかり』(中経出版)などがある。

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