3億円事件半世紀…「警官の息子犯人説」の舞台裏

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大量の遺留品…犯人逮捕に「楽観ムード」

犯人が使った発炎筒
犯人が使った発炎筒
盗まれた現金の番号の一部が公表された
盗まれた現金の番号の一部が公表された

 読売新聞は発生当日、府中市内の通信部(家屋兼事務所)に取材拠点を置いた。田中さんはその日からここに泊り込み、捜査本部の置かれた警視庁府中署に通う毎日となった。

 

 「通信部には本社から社会部の記者が大挙して取材しにきて、火事場のような騒ぎだった。ただ、偽の白バイには大量の遺留品があり、盗まれた現金輸送車もその日のうちに見つかったことで、捜査員の中には物証を一つ一つたどっていけば、犯人はすぐに見つかるという楽観ムードがあった。取材する記者も同じだった。むしろ我々は『いつ犯人が逮捕されてもおかしくはない。他社にそれを抜かれたら(先に報道されたら)クビ』というプレッシャーがあった。発生から1週間はほとんど寝られなかった」

 

 「楽観ムード」を象徴するとして、田中さんはあるエピソードを挙げる。事件発生直後の記者会見で、盗まれた500円札の番号2000枚分を捜査本部が公表したのだ。

 

 「会見場でメモを取りながら、『えー、それ言っちゃうの』と驚いた。3億円のうちの100万円分だから、犯人がこれを知ったら、その札を使わないか、処分してしまうだろうと」

 

 田中さんが危惧した通り、捜査は難航を極めることになる。


 

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