まだ「おせち」食べる?気になる正月の風物詩

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「年明けおせち」も登場

 それでも「お正月はおせち」という人々の食卓はどうなっているのか。

 クロス・マーケティング社の調査では、おせちを食べる予定があると答えた人のうち、すべて購入する人は2割程度。単品おせちを一部購入するという人と合わせると、約8割を占める。すべてを手作りする人は1割程度の少数派にすぎない。おせちは惣菜と同様に「買う」のが主流だ。

 17年の富士経済研究所の調べでは、お重に詰められた市販のおせちの市場は、600億円に迫り、拡大し続けている。1万円以下の手頃なものからぜいたくを尽くした20万円を超える有名料亭のおせちまである。

 成長をもたらした要因の一つはネット通販の普及だ。おせちは手軽にお取り寄せできる「おめでたい日のごちそう」になったとも言える。冷凍技術の向上で比較的、薄味できれいに保存でき、都合のいいタイミングで解凍して食べられるように冷凍おせちが進化したことも追い風になっている。

 JTBがまとめた年末年始の旅行動向調査によると、海外・国内を合わせた旅行者数は、00年以降で最高の3062万人を見込んでいる。年越しを旅先で迎え、帰国してから家族で正月を祝ったり、仲間と新年会をしたりする人に向けて、冷凍の「年明けおせち」が続々と登場。1日や2日、中には松の内を過ぎてからでも配達してくれる百貨店も出てきた。

 おせちを食べて正月気分を味わいたいと思ったら、かなりの範囲で希望がかなうのだから購入者が増えるのもうなずける。多様なライフスタイルの人を取り込むため、各社の競争がますます激しくなり、さらにおせちは変化していくだろう。

バイキング化・個食化…ニーズに合わせて「進化」

肉をふんだんに使った洋風(左)や中華風など様々なおせちが登場している(画像はイメージです)
肉をふんだんに使った洋風(左)や中華風など様々なおせちが登場している(画像はイメージです)

 おせちの中身も変わった。和洋折衷は当たり前だ。

 今年、西武・そごうはお重ごとに和食、中華、洋食から好きな料理を組み合わせる「選べる食べくらべおせち」を新発売した。1段目は伝統重視に、2段目は中華で華やかに、3段目はローストビーフがメインの洋食になどと、自分好みにできるのだ。

 それぞれ好みの料理を好きなだけ食べるようになったことは、おせちの「バイキング化」を象徴している。

 正月を祝う家族の単位が小さくなっていることから、3~4人前の三段重のほか、2人前の少量おせちや個食タイプも最近、トレンドに加わるようになった。

 健康に配慮したおせちも存在感を見せつつある。塩分が気になるという人には「食塩相当量約2gおせち」が、要介護者には「ムース食おせち」(いずれも高島屋)がある。

 ペットを家族の一員と捉える人が増えたからだろうか、百貨店やスーパーのカタログには「犬・猫用のおせち」も掲載されている。となれば、高齢夫婦あるいは独居の高齢者が、ペットと三が日におせちを食べる食風景も見えてくる。

 「買う」おせちが便利になり、作る人の負担は減った。家族それぞれの自由が尊重された反面、むかしのように家族や親せきが勢ぞろいして正月を祝うというスタイルはなくなりつつあるのかもしれない。

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