まだ「おせち」食べる?気になる正月の風物詩

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面倒なことは抜きの「インスタ映え」

 おせちは、まさに時代の写し鏡といえる。

 先述の岩村さんは著書の中で、おせちなどについて、「日本の自然や風土、そしてその暮らしに根差していた年中行事も、いつの間にか暮らしが変わってその根拠を失い、(中略)いまでは、平板な生活にアクセントをつけたり人を楽しませるイベントに変わってきているのだと思う」と分析している。

 楽天市場が女性400人(30~60代)を対象に行った、「2019年のお正月用おせち」に関する意識調査でも、おせちの「エンタメ化」は明らかだ。

 「あなたが今後やってみたい『おせち料理の楽しみ方』は何ですか」と尋ねたところ、1位が「好きな具材だけ楽しむ」、2位が「ワンプレートに盛り付け」、3位が「お気に入りの重箱に盛り付け」だった。「おせち料理の写真をSNSに投稿したい」という人は、30代の23%に達している。

 設問そのものからも、伝統やしきたりにとらわれず、押さえておきたいイベントの一つとして、正月をライトに明るく楽しもうという意図が読み取れる。

 好きな単品おせちをワンプレートに盛り付け、ハレの食卓を彩る写真を投稿して「インスタ映え」で盛り上がることが、若い世代の「おせち離れ」に一定の歯止めをかけているとも考えられるのではないか。

共同調理でシェア

友達と共同調理したおせち(大久保さん提供)
友達と共同調理したおせち(大久保さん提供)

 「買う」派、エンタメ派が増える一方で、「わが家の味」を残そうと奮闘している人もいるだろう。

 年末に加えて、仕事や子育て、あるいは介護などで何かと忙しい12月。おせちを1人で手作りするのを負担に感じる人も多い。そんな時に助かるのがおせち作りの「シェア」だ。私自身も「年末のイベント」として楽しんでいる。

 5年前から12月30日にフードスタイリストの新田亜素美さんら友達5人で集まり、おせちを共同調理するのが恒例だ。リーダーの新田さんが、「より美しく、よりおいしく」仕上がるように、素材の選び方、野菜の切り方、色の配分、味つけなど全体に気を配ってくれる。

 黒豆、田作り、紅白なます、栗きんとん、伊達巻き、八幡巻き、海老(えび)のうま煮、きんかんの甘露煮、竜眼、のし鶏、(たた)きごぼう……。こういった和食に加えてローストポーク、()()のコンフィなど洋食も作る。同時並行で複数の料理ができるので1人でがんばるより、ずっと効率がよいのだ。

器におしゃれに盛り付けられた新田亜素美さんのおせち(新田さん提供)
器におしゃれに盛り付けられた新田亜素美さんのおせち(新田さん提供)

 夕方には食卓いっぱいのおせちとごちそうを作り終え、各自必要な分を取り分け、その量に応じて材料費を出し合う。私は例年2万円前後。1品ずつタッパーに入れて持ち帰り、冷蔵庫で保存する。

 お重に詰めるのは元旦。ここが案外難しく、毎年、「見栄えよく、豪華に見せる盛り付けを研究しておけばよかった」と冷や汗をかきながら詰めている。

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