批判殺到でも「ゲートウェイ」?新駅命名のウラ側
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新しくできる鉄道駅の名前が世間を騒がせている。JR山手線の新駅は「高輪ゲートウェイ」に、東京メトロ日比谷線は「虎ノ門ヒルズ」と決まり、特に前者が批判の的になっている。かつて新駅名と言えば、地名から取るのが定番だったが、最近はしがらみあり綱引きあり、で単純ではないらしい。地名や駅名に詳しい今尾恵介さん(59)に、新駅名が決まるウラ側を教えてもらった。(聞き手 読売新聞メディア局編集部次長 室靖治)
「高輪ゲートウェイ」はわずか36票

――山手線の新駅名が「高輪ゲートウェイ」と発表された時、まず、何を思いましたか。
「やっぱりな」というのが率直な感想でした。JR東日本は現代風な駅名を意識しているはずなので、「高輪駅」とせず、平仮名か片仮名を追加するだろうと予想していたからです。
新駅名公募の際、JR東日本は「投票結果をそのまま反映させない」と断っています。票数で最も多かったのが「高輪」で、次が「芝浦」。新駅の西側は高輪地区、東側が芝浦地区ですから、当然でしょう。地名としての歴史は高輪のほうがずっと古いので、「高輪」駅と決めても文句は出なかったと思います。
「公募はするが、最終的に決めるのは我々」と、JR東日本は説明しました。とはいうものの、公募結果はある程度、尊重すべきではないでしょうか。JR東日本は民間企業ですが、多くの人が利用する公共交通機関ゆえ、あまり勝手なことは許されないと思います。約6万件寄せられた中で、「高輪ゲートウェイ」は上位10件に入らないどころか、わずか36件だったのです。
――しかも、「『ゲートウェイ』の意味がよく分からない」など、評判も芳しくありません。
女子大学生に感想を聞いてみました。「ダサい。オジサンが無理して新しがっている感じ」と、かなり厳しい評価です。
JR東日本は命名の理由として「ここは江戸の入り口だった」と語っていました。それなら片仮名など使わず、日本語で「高輪大木戸」駅とすれば良いではありませんか。