外国人労働者と共生可能?「アジアの先例」実態は

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人種のるつぼ、シンガポールの現状は?

写真はイメージです
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 アジアの中で外国人労働者の受け入れを進めている国や地域の実態はどうだろうか。

 外国人労働者の受け入れで先行している国として、まずシンガポールが挙げられる。シンガポール統計局の発表によれば、2018年9月末時点の全人口563万8676人に占める外国人の比率は29.2%。うち約8割が労働ビザを持つ労働者である。90年時点では外国人比率は10%程度だったが、30年弱で割合は3倍になった。

Department of statistics Singaporeのデータを基に株式会社マネネ作成。18年は9月27日時点
Department of statistics Singaporeのデータを基に株式会社マネネ作成。18年は9月27日時点

 シンガポールは国土が東京都の3分の1程度と狭く、人口も少ないため、20世紀後半から外国人の労働力を有効に活用しながら成長を遂げてきた。

 狭い国土に、アジアでは屈指の規模を誇る証券取引所や、世界の金融機関が集まる頭脳立国だが、2000年代後半の世界金融危機の影響で景気が減速したうえ、経済も成熟期に入っている。このため、一部の国民から「外国人労働者がシンガポール人の職を奪っている」などと、不満の声が上がるようになった。

 そこで、リーマン・ショック後の09年以降、外国人労働者の受け入れ規制が強化されている。具体的には、「外国人雇用税」を増税し、「高度人材」と、いわゆる単純労働者にあたる「非熟練労働者」双方の申請基準を引き上げるなどして、外国人を雇用するハードルを少しずつ上げている。

 現状は、外国人労働者の流入を就労ビザ(パス)の発給要件変更などで調整しており、当然だが、要件を厳しくすれば、流入を減らすことも可能だ。

 エンジニアや金融関係などの高度・中度技能者に発給する「Eパス」と「Sパス」には、取得要件に月額給与や保有資格などが含まれる。非熟練労働者に発給する「ワークパーミット(労働許可証)」には出身国の制限(主に周辺各国)や、技能のレベルに応じた最大雇用期間などが定められている。

 シンガポールの事例は、外国人労働者の受け入れが国民との摩擦を招くリスクがあることを示している。

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56236 0 深読み 2018/12/25 05:20:00 2018/12/25 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181221-OYT8I50003-T.jpg?type=thumbnail

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