外国人労働者と共生可能?「アジアの先例」実態は

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受け入れに積極的な台湾は?

 一方、外国人労働者の受け入れを推進しているアジアの地域としては、台湾が挙げられる。

 日本の財務省にあたる「行政院主計総処」の発表している「人力資源調査統計年報」によると、台湾の労働力人口は17年時点で約1179万5000人。これに対し、厚生労働省にあたる労働部の「労働統計月報」の、外国人の非熟練労働者数は18年10月末時点で70万3162人となっている。集計の時期はやや異なるが、労働力人口の約6%を占めることになる。国籍ではインドネシアが最も多く、次いで、ベトナムとフィリピンが続く。

台湾労働部「労働統計月報」を基に株式会社マネネ作成。2018年10月末時点
台湾労働部「労働統計月報」を基に株式会社マネネ作成。2018年10月末時点

 台湾では、「台湾人の就業機会を妨げない」という前提に基づいて外国人労働者を受け入れるとしており、この点はシンガポール政府の対応と似ている。また、「専門人材」と「非熟練労働者」に分け、それぞれに細かい要件を定めている。

 専門人材については、さらに「一般」「特定」「高度」と細分化し、それぞれ就労規制を緩和している。

 18年には、人工知能(AI)や、あらゆるものがネットにつながるIoTに関する技術者、バイオ医療材料や再生可能エネルギー、フィンテック(金融関連の技術)などの専門人材の呼び込む計画に着手。就労許可証や居留ビザなどを一つにまとめ、自由に求職・転職できるようにする「就業ゴールドカード」の発行や、居留開始から3年間の減税措置などを盛り込んだ法制度を施行した。世界でし烈化する優秀な人材の獲得競争を勝ち抜きたい考えのようだ。

 一方、非熟練労働者は受け入れ可能な業種が限定されている。安易な受け入れの防止と労働者の保護のため、雇用主に数多くのルールが課している。

 「台湾人労働者の20%程度」など、業種による受け入れ可能人数の上限設定、就業安定費(雇用税)の支払い、定期的な健康診断の実施などだ。一方で、新旧の雇用主双方と労働者の三者が合意すれば、勤務先を変えることもできるようになった。

 台湾では外国人労働者も台湾人労働者と同じ社会保障制度を受けられる。細かい条件の差はあるものの、日本の失業保険や労災保険に似た「労工保険」や、国民健康保険に近い「全民健康保険」などへの加入が可能だ。中でも全民健康保険への外国人労働者の加入率は非常に高く、95%を超える。

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