外国人労働者と共生可能?「アジアの先例」実態は

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台湾、失踪者が減少傾向に

写真はイメージです
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 台湾は外国人労働者に対して、かなり手厚い支援体制を整えている。

 過去には前述の日本の技能実習生のケースと同様に、長時間労働が常態化していたが、03年にインドネシア人のメイドが雇い主を殺害する事件があったことなどから、徐々に改善がなされたという。

 移民を管理する「内政部移民署」の資料によると、1990年から2018年3月末までに行方不明になった外国人の非熟練労働者は、累計で26万6060人に上る。今も失踪する労働者はいるものの、支援などが奏功し、近年は減少傾向にあるようだ。

 筆者は金融機関のインドネシア駐在員を経て、16年8月~18年4月に台湾駐在員を務めた。台湾では何人ものインドネシア人と知り合ったが、大半がメイドだった。インドネシア語を話せたこともあり、週末になると台北駅の地下街にあるインドネシア料理店でよく雑談をした。

 そこで聞いた限り、メイドらの労働環境はさほど悪くないようだった。彼女らが抱いている不満といえば、金銭的なものというより、「雇い主と性格が合わない」「勤務している家の厳しいルールがストレスになる」といったもの。危険な作業や長時間労働を強いられるなどのシビアな悩みは聞かなかった。

日本は魅力を維持できるか?

 少子高齢化が進み、労働力が不足しているのはアジアに限っても日本だけではない。仮に、外国人労働者を受け入れている他国で、外国人の労働環境が大きく改善されれば、日本の魅力は相対的に低下し、外国人労働者を呼び込むのは難しくなるかもしれない。

 政府は2019年度予算案に、外国人労働者の在留資格となる「特定技能」の取得に必要な日本語能力試験の実施など、共生のための費用を計上する方針という。法改正を機に、現状の問題点をしっかり把握し、各国の成功例、失敗例の双方を参考にしつつ、上手に共生を図っていくべきだと考えている。

プロフィル
森永 康平( もりなが・こうへい
 経済アナリスト。子どもたちへの金融教育事業を展開する株式会社マネネ(東京)代表取締役社長CEOも務める。証券会社や運用会社にてアナリスト、エコノミストとしてリサーチ業務に従事した後、複数の金融機関で外国株式事業やラップ運用事業を立ち上げる。インドネシア、台湾、マレーシアなどアジア各国で新規事業の立ち上げや法人設立も経験。現在は法律事務所の顧問や、複数のベンチャー企業のCFO(最高財務責任者)も兼任している。日本証券アナリスト協会検定会員。マネネのホームページは こちら 。ツイッターアカウントは@KoheiMorinaga 

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