必死すぎる「インスタ蝿」…その撮影は迷惑です

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世の中は〈広く〉て〈狭い〉

(「六次の隔たり」(Six Degrees of Separation)のイメージ(Milgram,1967))
(「六次の隔たり」(Six Degrees of Separation)のイメージ(Milgram,1967))

 矛盾した言い方になりますが、日本中というのは想像以上に〈広く〉て〈狭い〉ものなのです。

 日本の人口は約1億2700万人です。〈広い〉という意味で言えば、ちょっとした悪ふざけや、軽い気持ちで行った投稿が、自身の意図を離れ、リポストによって炎上・報道された結果、5万5000人満員御礼の東京ドーム2300個分の人たちに知れ渡る可能性があるということです。

 これは、「友人同士の内輪受けがバレて学校中に知れ渡ってしまった」とか、「身内で秘密にしていたことが近所に知られて恥ずかしい」というのとは、次元が違う話なのです。

 そして〈狭い〉という意味では、それだけ膨大な人数でありながら、そのネットワークの繋がりは想像以上に密で、簡単に広まってしまうということです。

 米国の社会心理学者スタンリー・ミルグラムが提唱した“六次の隔たり”という概念があります。彼の実験は、手紙を米・カンザス州から英・ケンブリッジに住む神学生の妻や、米・ネブラスカ州からボストンに勤務する株仲買人に、友人や知り合いを介して本人に届けるように依頼するというものでした。

 もちろん、最初に手紙を託される対象者は、神学生の妻や株仲買人とは全く無関係であり、完全にランダムに抽出された、かなり遠距離にいる2人が、何人媒介すればつながるのかを明らかにしたのです。その結果、おおむね平均して6人を媒介すれば、本人に到達するということが示され、「スモールワールド現象」(small world phenomenon)という言葉が生まれました。

 この観点から見れば、わずか6人を媒介するだけで、全く無関係な日本中のありとあらゆる人につながってしまうことになります。文字通り、「世間は狭い」のです。

その行為は「恥ずかしいこと」

(画像はイメージ)
(画像はイメージ)

 「ちょっとくらい良いだろう」と、軽い気持ちでやってしまったことが、日本中の人から後ろ指をさされる可能性を考えることが大切です。

 そこまで思いを至らせることができれば、ツイッターに悪ふざけを書き込むことや、モラルに反した方法で撮った写真を、インスタグラムに公開することなど怖くてできないでしょう。そもそも、騒動の元凶になるような行為もしないでしょう。

 それにしても、なかなかなくならないこうした迷惑行為を防ぐ手立てはあるのでしょうか。

 ルールを定めても、それを破る人が出てきます。だれかがやってみると、それを“見習って”ゾロゾロと後に続く者が出てきます。そして、迷惑行為は過激さを増し、エスカレートするというのもよくあるパターンです。

 迷惑行為を阻止する効果的な手法があるとすれば、「その行為が恥ずかしいことだと思わせる」ことが、可能性を秘めていると考えられます。

 そもそも、ある行為が恥ずかしいことであると自覚すれば、それを実行しようとは思いません。他の人に馬鹿にされているのに、堂々と平気な顔でいられる人は多くないからです。

 

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59943 0 深読み 2019/01/02 06:25:00 2019/01/02 06:25:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181226-OYT8I50037-T.jpg?type=thumbnail

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