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座ってもイライラ…通勤電車“座席改革”の現在

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「荷物電車」呼ばわりの30年後に誕生

導入初日の読売新聞記事(1990年3月12日夕刊)
導入初日の読売新聞記事(1990年3月12日夕刊)

 このように通勤電車の座席が進化を続ける一方、もうすぐ姿を消すのが、ラッシュ時に座席をはね上げる「イスなし車両」だ。

 JR山手線に初めて導入されたのは1990年。ピークの2006年にはJR5路線で計308両が運行され、東急田園都市線も続いた。だが、新しい路線の開通などで、混雑率が改善されたことにより徐々に減少。今はJR中央・総武線のみになったが、これらも早ければ2020年に姿を消すという。

 ところでこのイスなし車両、70年を超す“前史”があることはあまり知られていない。

 読売新聞記事データベースを調べると、1941年3月に「無座席電車を出せ」との投書が見つかる。「交通緩和の最も手近な方法として座席のない電車を出すことにしてはどうであろうか」「一車当たりの輸送力は増大するのであるからこれ程いいことはない」との主張だ。終戦直前の45年7月にも「電車の座席は無用の長物どころか現在では邪魔物の最たるものだ」と、輸送力の衰えによる激しい混雑を背景に、今から見ればかなり思い切った意見が寄せられた。

 戦後14年ほどたった59年11月にも、イス席を撤去した「通勤専用電車をつくれ」との投書が載っている。早くも8日後には、国鉄広報部が紙上で回答した。「乗車人員をふやす点だけから考えますと一案かも知れません」と一応、理解を示したうえで、当時は混雑時にイスをはね上げる技術がなく、ラッシュ時用と日中用の車両が要るとして、「二種類の電車が半日ずつしか使えないわけで誠に不経済でありますし、また電車区施設を二倍にふやさなければなりません」。事実上、「無理です」と答えているのと同じだった。

 国鉄広報部は、この回答の中でさらに「座席のない荷物電車のような車を運転しますことは各方面からも異論があることと存じます」と付け加え、イスなし車両を「荷物電車」呼ばわりしている。その約30年後、座席をはね上げることが可能になり、国鉄の後身であるJRがイスなし車両を走らせたのは皮肉だ。

 

プロフィル
室 靖治(むろ・やすじ)
 1990年入社。富山支局、地方部内信課、生活情報部(現・生活部)、福島支局、人事部(採用・研修担当)、読者センターを経て、2018年2月からメディア局編集部。趣味は鉄道の旅と古書店巡り。

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