ストロー排除より確実…片手でできる海洋プラ削減
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「ストロー排除」の本当の意味
――企業や生活者レベルの削減活動として、プラスチック製ストローを使わない動きがさかんになっています。木製や金属製のストローに代えたり、プラ製ストローを提供しない外食産業が増えたりしています。専門家の目にはどう映りますか。

ストローはあくまで象徴的な存在だと思います。「ストローを含む使い捨てプラスチックを減らそう」という動きであるべきです。
なぜストロー削減がさかんに言われているかといえば、おそらくですが、減らしたりなくしたりしても、困る人はそれほどいなさそうだということがありそうですね。ストローが「悪」という話ではなく、介護の現場で使われているようなものまで減らせとなれば、それは弱者を切り捨てるのと同じです。ストローについてもきちんと目配りをした減らし方を考えなければいけません。
――ストローが全プラスチック製品に占める割合は、実は1%にも満たないそうですね。政府が削減のため有料化方針を打ち出したレジ袋も同様だと聞きます。
計量的には、たとえすべてなくしたとしてもほぼ意味がないレベルです。ストローをなくしたら「これで問題解決だ」という話にはなりません。
ただ、使わないようにすることが、一見、簡単そうなストローを減らすことでさえ、例えば介護や子育ての現場で必要としている人、なければ困るという人がいて、そんなに簡単に減らせる問題ではないということです。
なぜ減らさなければならないのか、減らすとどういうことが起こるのか、削減が何を意味するのか。そういうことを考えるきっかけになればいいと思います。プラスチックとの付き合い方が問われているということです。