勝手に家に入る…「放置子」が親元に帰らないワケ

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ケース2「思春期に『ノーブラ』で放置された少女」

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 小学校高学年の子どもをもった主婦らが体験したケース。同級生の女の子が問題になった。近所に住むひとり親(父親)家庭の子で、服装に汚れが目立ち、若干においもする。女性らしい体になりつつあるのに、ブラジャーはつけていない。父親は食事代として少額の現金を渡しているだけのようだった。

 同級生の家などに無理やり上がりこみ、なかなか帰ろうとしない。毎日のように来て、同級生に「あなたのお母さんは、私の方を可愛(かわい)がっている」と言い、上がりこんだ家の母親を独占するような行動をとった。この子を嫌がる家庭が増え、家の中に入れてくれる家庭がなくなると、ショッピングセンターの一画に置かれているソファーで時間をつぶし、かまってくれそうな大人に声をかけるようになった。

 証言からは、人恋しく、親の愛情に飢えている状態がうかがえます。父親が女の子に対して、身体の違いなどへの対応が難しすぎるためか、養育を放棄してしまった可能性があります。

「放置子」が虐待児童であったケース

画像はイメージです
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 こうした「放置子」に関する情報は、ネット上の子育て相談サイトや、「発言小町」などといった掲示板でもみられます。2015年1月には兵庫県加古川市で3歳の男の子がコンビニ店に1人で現れ、ジュースをせがんでいたことがきっかけで親の虐待が発覚したケースがあります。勝手に家に上がりこんだり、甘えたりするのも、「無邪気」とか「屈託のない」ということで片付けられるレベルではありません。

 児童虐待防止法では、ネグレクトについて、「児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置」としています。

児童虐待数の表
児童虐待数の表

 全国の児童相談所が2017年度に対応した児童虐待事案は13万3778件と過去最高になり、ネグレクトは全体の20%を占めました。

 ネット上では放置子を「迷惑で邪魔な存在」とする人もいますが、虐待を受けている児童の可能性もあり、保護すべき対象として受け止めるべきなのです。

放置子はなぜ、距離感なく甘えるのか

 証言などから浮かび上がるのは、親から居場所や愛情を与えられず、必死にそれを得られる場所や人を探し、距離感なく甘え、家に入り込もうとする「放置子」たちの姿なのです。親との日常的なコミュニケーションが不十分なためか、相手に甘えるときでも、「過度の負担を感じさせないように」とか「迷惑をかけない程度におさまるように」などと、相手の感情を考えながら自分の希望を自然とセーブするということを学んでいないように見えます。互いのニーズの折り合いがつくところを探るといった発想もスキルも身についていないのでしょう。

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60471 0 深読み 2019/01/16 18:00:00 2019/02/05 16:16:06 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190116-OYT8I50081-T.jpg?type=thumbnail

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